何事も考えすぎてしまう自分が嫌だったという有村さん。「でも、それがあるから人の気持ちに少しでも寄り添える今の自分になれたんじゃないかなと思うようになりました」/撮影・上田泰世(写真映像部)

開き直って自分でブスって言っちゃおう

――具体的にはどんなことを?

 コルギっていうマッサージのようなものや歯列矯正をしてみたり。あるときカウンセリングで、「唇にヒアルロン酸を入れたら、ちょっとは改善されるんじゃないか」と聞いたことがあるんです。でも、「逆に強調されて自分がもっと苦しくなる」「あなたの思っていることをしたいなら、骨を切るのが一番適切なんじゃないか」と先生に提案されて、そこから意識しはじめました。

――骨を切るという選択肢が現実的になってきたんですね。

 1年くらい悩んでカウンセリングに行きました。カウンセリングを受けてからも半年くらい期間があったんですけど、その間もずっと悩んでいましたね。

――どういうところに悩みましたか。

 後遺症などのリスクもですし、切った後の顔がどうなるのか正確にはわからないことも不安でした。「なんか違うかも」となったらどうしようとか。全身麻酔もしたことがなかったので、その怖さもありました。あとは、家族やファンの方がどう思うのかも少し考えました。

有村藍里さん

――整形すると決めてから、まず誰に伝えたんですか。

 最初は友達ですね。一番身近な友達に「整形する」と伝えました。

 その当時、テレビでかなり自虐的なキャラをしていたんです。「私ブスなんで」とか言って、ちょっと笑ってもらうみたいな。それはそれでコントじゃないけれど、自分なりに楽しんでいました。ただそれとは別に一人の人間としての私が悩んでいることを友達は知っていたので、「それで前向きになれるならいいんじゃないかな」と言ってくれました。でも、友達からすればそう言うしかできないですよね。

――その自虐的なキャラクターというのは、先ほどの「はつらつ」を目指していた時期ですか。

 それとはまた別ですね。もともと「新井ゆうこ」という名前で活動をしていたのですが、スポーツ紙で「有村」という名前が取り上げられたことをきっかけに、環境が一変しました。妹と比較して「似ていない」「可愛くない」みたいなことを連日書かれた時期もあって……。知られる前にはもう戻れないし、「開き直って自分でブスって言っちゃおう」みたいな感じでした。

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