ラーメンだけじゃない! サイドメニューも素晴らしい! これだけ食べても2000円ちょっと。

 この突然の大量閉店の理由を聞くため、天一食品商事(滋賀県)に問い合わせたものの、同社の広報担当者は「この件に関する取材はすべてお断りしています」と回答を差し控えた。

 筆者の最寄り店舗である吉祥寺店も、今回の閉店対象に含まれていた。普段は10月1日の「天一の日」(翌日以降使える1杯無料券がもらえる)にしか訪れない……というより、頻繁に食べられる胃ではなくなっているのだが、「あと1カ月で閉店」と聞き、慌てて足を運んだ。

 平日の夕方にもかかわらず店内は盛況。コの字形のカウンターには、サラリーマン、高校生、カップルなど。10代の頃は「2杯はいける」と思っていたが、30歳を過ぎた今ではすっかり胃もたれを気にするようになった。この日はラーメンとチャーハンの「チャーハン定食」を注文。スープをすべて飲み干すには、米の力が必要なのだ。さらに味変用にキムチを単品で追加。吉祥寺店には唐揚げと餃子がないため、肉感を求めて豚キムチも注文した。

こってりスープは白米と食べるのもいいが、チャーハンの味も合わさるとさらにうまい。
そもそも「キムチはラーメンに合うの?」と思われがちだが、つまみになるし具材にもなる。

 「こってりか、あっさりか?」は天下一品の定番の問い。筆者も以前、2日連続で来店した際に初めて「あっさり」を頼んだことがあるが、やはり「男はこってり一択」。この日も迷わず「こってり」を選んだ。

「塩ラーメン」や「味噌ラーメン」も

 いざ、ラーメンが到着。レンゲでスープをすくえば、ドロドロと濃厚そのもの。麺に集中するのもいいが、筆者の楽しみ方は、レンゲでチャーハンをすくい、スープにひと浸しして食べるスタイル。味変のキムチとの相性も抜群で、あっという間に完食。気づけば、どんぶりに「明日もお待ちしてます。」の文字が現れていた。

 ふと周囲の注文に耳を傾けてみると、女子高生が「塩ラーメン」を注文していた。なんだそれは……? 実は天下一品のメニューには「こってり」「あっさり」「屋台の味」のほか、「塩ラーメン」や「味噌ラーメン」も存在するのだ。

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