さらに現在17位と苦しむFC東京も、浮上へ向けて元韓国代表GKキム・スンギュ(←アルシャバブ)、元日本代表サイドバックの室屋成(←ハノーファー)、昨季のルヴァン杯得点王のFW長倉幹樹(←浦和レッズ)、そして浦和時代に「神」と崇められた元デンマーク代表DFアレクサンダー・ショルツ(←アル・ワクラSC)をチームに加えた。6月14日のC大阪戦では、古巣復帰となった室屋がスタメン出場し、流血しながらも持ち味である豊富な運動量で攻守に貢献。試合は2-2の引き分けとなったが、収穫は大いにあり。今後の巻き返しへ向けて期待感を持つことができたはずだ。
鹿島、柏、京都、浦和の上位陣が素早い動きを見せ、神戸、G大阪もピンポイント補強で戦力補完。岡山、FC東京は間違いなく戦力アップに成功した一方、流出した戦力も考えると降格圏にいる新潟、横浜FMの2クラブが心配だ。また、Jクラブ間の移籍に加えて、北野颯太(C大阪→ザルツブルク)が欧州へ旅立ち、福田翔生(湘南ベルマーレ)、稲村隼翔(アルビレックス新潟)に海外移籍報道がある。
これで一旦、補強はひと休みするが、7月7日から第2登録期間として再び移籍ウインドーが開く。6月に動かなかったクラブが、7月以降にどのような動きを見せるのか。酷暑によるダメージも予想される中、夏の戦力補強がチームの調子維持、巻き返しに向けて有効かつ不可欠な手段であることは近年のJリーグのシーズンを見ても明らか。上位チームは優勝するために。そして下位チームは残留へ向けて、夏の新戦力たちがキーマンとなる。
(文・三和直樹)
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