公式式典の他、首都・ブラジリアでは「ブラジリア大学」も訪れ、日本語や日本文学を学ぶ学生らと交流された。同大の日本語・日本文学専攻科では約170人が学んでいるそうで、日本のアニメや音楽などをきっかけに日本語を学び始めた学生も多いという。
リオでは名残惜しそうに
12日夜、首都・ブラジリアからリオデジャネイロに入った。翌日13日、リオデジャネイロの国立公園で高さ30メートルのキリスト像が立つ「コルコバードの丘」を視察。丘を含む景観は世界文化遺産に登録されている。佳子さまは眼下に広がる海や街並みを見て回った。
コルコバードの丘で、記者に残り僅かとなった滞在について質問されると、名残り惜しそうにこう語った。
「今回それぞれの訪問先で、皆様に本当に温かくお迎えいただいたことを、心からありがたく思っています。また、皆様にお会いできたことを本当に嬉しく思っています。そして、このとてもありがたい滞在が残り僅かになっていることに、少し寂しい気持ちもしています」
そして、佳子さまは「ブラジルでお会いした方々とブラジルでの出来事は、これからもずっと心に残り続けると思っています」と話されている。
リオデジャネイロでは日本人移住の歴史を紹介する「リオデジャネイロ日本人移住資料館」も訪問され、歓迎行事に出席された。
佳子さまに「胸がいっぱいに」
14日、佳子さまは、最後の訪問先であるブラジル南西部の国境の町フォス・ド・イグアスに移動。98歳の日系1世の中村締さんらと懇談された。70年以上前、家族でアマゾンに移住したという中村さんは、「遠いブラジルまで来てくださって。胸がいっぱいになった」と感激していたそう。
ここでは、日系4世の子どもたちに太鼓パフォーマンスで歓迎され、「動きもあって見ていてとても楽しかったです」と拍手を送られていました。

最後に「イグアス国立公園」を視察。最大落差80メートルの滝で観光名所として知られる「イグアスの滝」では、自然保護の取り組みなどについて説明を受けた。サンパウロで懇談した職人によるアマゾンの天然ゴム素材のネックレスを身につけていたことも話題に。
これほどまでにハードなスケジュールにも関わらず、笑顔を絶やすことなく公式訪問を無事に終えられた佳子さま。その笑顔はたしかに「ボニータ」だった。
(AERA編集部・太田裕子)
