「政治の空白」なんて起きない
――立憲の党内には、このまま支持率の低い石破政権で参院選を戦ったほうが有利だという見方もあります。また石破首相が解散に踏み切るのではないかと警戒する幹部もいます。
小沢:石破君は人気がないからこのままで参院選を戦った方がいいと言うけれど、不信任を出して解散になれば、衆参ダブル選挙になるわけで、それも石破総理の自民党と戦うことになる。いま解散するなんて言ったら、自民党内でも大変な不協和音が起こるから、ますます野党に有利になります。だから、解散するなら「どうぞいらっしゃい」ということ。衆参ダブル選挙なら、いっぺんで片がつく。何をビクビクしているんだろう。現在の衆院1期生はすぐに2期生になれるし、こんないいことはない。
――内閣不信任案を出すと政治的空白が生じるという意見もあります。トランプ関税をめぐる日米交渉の足を引っ張るべきではないと野田代表も言っていました。
小沢:すぐにそういうことを言う議員や評論家がいるが、「政治の空白」なんて起きません。予算は通っているし、あとは官僚が執行するだけの話。騒ぎばっかり起こす大臣なんていないほうが、よほどスッキリいく(笑)。トランプ関税への対応と言っても、ドイツやフランスでは、連立政権をつくるのに1カ月も2カ月もかけています。カナダやオーストラリアは最近も選挙をやったじゃないですか。空白もヘチマもないですよ。
――国民民主の玉木代表も「立憲は不信任案を出すべきだ」と発言しています。しかし立憲のなかには、国民も維新も賛成してくれないのではないか、という不安もある。確かに、野党が結束できるかどうか見通せません。
小沢:国民民主は人気が出たから、立憲の言う通りにはしたくないでしょう。でも、不信任案には反対できない。維新も石破政権には厳しい態度にならざるを得ない。だから立憲が不信任案を出せば、どこも反対できません。国民民主も維新も人気は峠を越したね。峠を越したらあとは下り坂になる可能性もある。