
6月22日、国会が会期末をむかえる。そんな中、朝日新聞(6月2日付)は「石破茂首相は2日、立憲民主党から内閣不信任決議案が提出された場合、採決を待たずに衆院を解散するとの方向で検討に入った」と報じた。一方、野党第1党の立憲民主党・野田佳彦代表は「内閣不信任決議案の今国会提出を見送る検討に入った」(朝日新聞、6月11日付)とされ、立憲内部からも異論が出ている。この状況を議員生活55年の政界の“最長老”はこの状況をどう見るのか。小沢一郎・立憲民主党衆院議員がAERAの単独インタビューに答え、内閣不信任決議案提出の是非から、コメ価格をめぐる小泉劇場まで政界の現状を縦横に語った。
【写真】政界の“最長老”小沢一郎が内閣不信任案を見送るなと「立憲」に苦言 「自民党と裏取引する野党は自滅する」
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――現在(取材日の6月上旬)、世間の話題は「コメの価格高騰問題」で一色となっています。石破茂首相は失言した前農水相を更迭し、小泉進次郎氏に交代させた結果、小泉氏が2000円で備蓄米を売り出して評判になっている。内閣支持率も持ち直して、政権浮揚のきっかけになるとも言われていますが、この小泉劇場をどう見ていますか?
小沢:コメ問題については、農業を軽視して生産性の高い産業だけをドンドン支援していけばいいんだという、農業不在、食料政策不在の結果が、今の状況をもたらしたのです。このことをまず理解しないといけません。
だが小泉君は備蓄米を2000円で売って価格を下げるということばかり言っている。そもそも、コメの値段が2000円では、農家が食べていけない。米を作れと言ったって作る人がいなくなる。だからどんどん、農村の人口が減っていく。今のままでコメを安く放出するということは、ますます、農業離れ、農村離れを増やすことになるのです。
それに小泉君は随意契約で安くしたと鬼のクビをとったように言っているが、政府が随意契約なんかしてはいけない。都合のいい業者だけを指名するというのは不正と腐敗の温床になる。小泉君のパフォーマンスをメディアは盛んに取り上げるが、これは国のあり方をゆがめている。国民は次第に冷静になっていくと思います。