
農家にきちんと生活補償をする仕組みを
――では、どうしたらいいのか?
小沢:農家にきちんと生活補償をする仕組みを作ったうえで、自由競争に任せればいい。そうしたらそんなにコメの値段も高くならない。私たちは2009年に、(旧民主党政権で)農家の戸別所得補償制度を導入しました。これはコメの生産費が市場価格を下回るようなら、農家の生活を保障するために国がその差額を補填する仕組みです。これで農家が安心してコメを作れるようにしたのに、政権が自民党に復帰したら雲散霧消してしまった。今も、農業生産者の生活を保障する仕組みを作ったうえで、価格は自由な取引に任せるようにすれば、農家も消費者も安心すると思いますよ。
――物価高騰はコメだけではありません。立憲は消費税の食料品は1年間消費税ゼロと主張しています。
小沢:1年間にわたって(税率を)上げたり下げたりすると、売るほうも買うほうもかえって混乱するし、効果も出てこないので全面的に賛成とは言いがたいが、消費税減税は必要です。私は日常的に必要な食料品や生活関連のものは永続的に消費税ゼロにするのがいいと思う。イギリス方式だね。その代わり、それ以外のものを必要な時に税率をアップして財源に充てる。それが責任ある政治だ。消費税を減税すべきだという点では野党は一致している。だったら、それを実現するために一刻も早く石破政権を倒して、新しい政権を作らなければならない。それが野党の最大の責任なんです。
――石破政権の支持率も低迷しているが、立憲民主党など野党への期待も高まっていない。それはどうしてでしょうか?
小沢:やっぱり、野党が今、政権を獲れるのに獲ろうとしないのが、国民から不信を買っている一番の理由です。「野党は信頼がおけない」「野党では不安だ」と言われるのは、政権を獲りに行かないから。政権を獲りにいかない野党なんて信用されない。何を言ってもウソっぽいでしょう。
――内閣不信任案を出すには衆院議員が51人以上必要で、立憲だけが唯一、単独で提出ができます。しかし野田佳彦代表は慎重に判断すると繰り返しています。
小沢:立憲は、石破政権をさんざん批判してきて、内閣不信任案提出に消極的な姿勢だと見られたら、それこそ、国民から不信任を突きつけられます。自民党と裏取引するような政党はいらないと。野党第一党らしく、不信任案を出して野党政権を樹立すると打ち出すべきです。数が足りないときには、通りもしない内閣不信任案をしょっちゅう出しておいて、いざ、不信任が通るとなったら自民党と取引して出さないなんてとんでもない話だ。私は党員の一員として、とうてい容認できない。国民からも見放されますよ。