
作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。
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部屋が手狭になってきたので、なんの気なしに賃貸サイトを眺めていました。そして気づく。家賃、めちゃくちゃ高くなってない?
調べてみると、東京23区の平均家賃が7カ月連続で過去最高を更新したというニュースを発見。現在の家に越してきてから4年半くらい経っているので、その当時の感覚のままだと驚いてしまいます。
ほかのニュースも探してみたところ、どうやら「家賃」は消費者物価指数のなかでも岩盤と呼ばれるほど変動が少ないものだったようで、それが昨今大きく変化しているのだそう。私が幼少期を過ごした文京区本郷、東京大学周辺のワンルームマンション(20平方メートル程度)の相場は14万円前後だとか。た、高い! 大学生が親の仕送りで住める金額とは思えません。
家賃高騰の理由は非常に複雑だそうで、新築なら資材費、中古でも共用部分の光熱費の上昇などが家賃に反映されつつあるのだとか。家族向けの賃貸部屋は、そもそも分譲価格高騰の影響をもろに受けているようです。つまり、一朝一夕で解決する話ではないということだ。
今日の今日まで、おそらく私は一生賃貸で暮らしていくのだろうと考えていました。しかし、このまま物価と共に家賃もグングン上昇すると、そうは言っていられません。稼ぎは物価と同じようには上昇してくれないんだもの。