2018年5月19日、結婚式を挙げたヘンリー王子とメーガンさん(photo ロイター/アフロ)

「母はメーガンを結婚相手に選んだことを喜ぶだろう」

 ヘンリー王子メーガンさんと交際中で結婚も視野に入れていると王室の家族に打ち明けたとき、まず兄のウィリアム王子(当時)は「時間を取ってゆっくり進めた方が良い」とアドバイスした。故エリザベス女王は、表立って反対はしなかったものの明らかに乗り気ではなく、故フィリップ殿下は「メーガンとの結婚はやめておけ」と率直だった。歓迎されていないことを感じ取ったのだろう、ヘンリー王子は、ダイアナ元妃の実家スペンサー家の叔父と伯母にメーガンさんを引き合わせることにしたのだ。

 ヘンリー王子はダイアナ元妃の姉2人と弟にメーガンさんを紹介。その時、王子は期待で胸を弾ませていたという。かつて、BBCのインタビューで「母は、自分がメーガンさんを結婚相手に選んだことに大喜びするだろう」と胸をはって話したことがある王子は、3人はロイヤルファミリーとは違って、すぐさまメーガンさんとダイアナ元妃との共通点を見つけ、彼女を元妃の「生まれ代わり」と見なすと確信していたからだ。ダイアナ元妃とメーガンさんが似ているとのお墨付きをスペンサー家からもらえれば、英王室はもちろん、世界中の人々はメーガンさんを結婚相手として受け入れると思っていたのだ。  

 しかし、3人の反応は王子の期待を大きく裏切るものだった。3人とも、ダイアナ元妃とメーガンさんに共通点があるとは思わないと言明した。さらにスペンサー伯爵に至っては、「メーガンは王室になじめないだろう」と率直に警告。王子の落ち込みは相当なものだったと推測できる。

2021年7月1日、ロンドンのケンジントン宮殿にあるダイアナ元妃の彫像の除幕式で、元妃の実弟であるスペンサー伯爵と笑顔で話すヘンリー王子
(photo ロイター/アフロ)

誰も結婚に賛成しないまま…

 結局、英王室とスペンサー家の家族は誰も積極的に賛成しないまま、メーガンさんとの結婚に踏み切ることになった。ヘンリー王子は、結婚から3年後に公開されたネットフリックスの番組「ハリー&メーガン」のなかで、「メーガンの人となりやふるまいは母とそっくりだ。母と同じ思いやりと共感力を持ち、自信と温かさがある」と改めて強調。理解を求めている。

 ただ、このときも英王室専門家は「ダイアナは慈善事業を行ったが、それはネットフリックスのためではなかった」「メーガンがダイアナに似ているとは、ダイアナの記憶を裏切る」と指摘。支持が広がることはなかった。

メーガンさんのネットフリックス番組は秋に新シリーズ公開予定

 結婚生活当初から誰からも歓迎されなかったメーガンさんだが、ここにきてネットフリックスの料理番組「ウィズ・ラブ、メーガン」のシリーズ2が今秋に公開されることが決まった。サン紙によると来年にシリーズ3が予定されているという。

 メーガンさんが手がけるオリジナルブランド「アズ・エバー」に関しては、「今月あなたのお気に入りが戻ってきます」とようやく再入荷することを発表。新商品も発売するそうで「お見せするのが待ちきれないわ。お楽しみに!」と記している。

 また、ヘンリー王子は数か月以内に「画期的な商業的事業」を立ち上げることが報道された。詳細はまだ明らかになっていないが、新たな目的を掲げ、サプライズを企画しているという。くじけない2人の「計画」はまだ続きそうだ。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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