A. 継続するなら見つけない努力を
長い付き合いの友人たちはもとより、わりと最近仲良くなったママ友とも、話題として盛り上がるのは夫の愚痴というか悪口というか、ひどい夫自慢のような話だなぁと最近実感します。もちろん、ある程度人間関係を円滑にするために自虐の一種として、本来は比較的仲良しの夫の悪口を言う場合もあるでしょうし、周囲が愚痴っているなかで自分だけ惚気るのに気が引けるという人だっているかもしれません。どんなパートナーであれ、生活や子育てをともにするなかで多少のストレスや不満は見つけて話そうと思えば話せるものです。自分がどれだけつらい思いをしているか話して、よく頑張ったね、かわいそうだね、と優しい言葉をかけてもらいたい人だっているでしょう。
一方で、こちらが聞いていてもはらわたが煮えくり返るような男の話もあります。なんでそんな男と一緒に暮らせるのか疑問に思ってしまうくらいひどい話もたくさん聞きます。臨場感のあるおしゃべりが上手な子の場合だと、思わず聞いている側がカフェの花をひっくり返してしまいそうになることもありました。自分勝手な生活態度、不誠実な行動、こちらのことを尊重する気持ちが見受けられない言葉など、ひどい男の話はいつだって深夜まで続きます。先日も、子どもや自分の母親のことをすべて妻にまかせて平気で飲みに行く芸術家肌の夫について、連れていた赤ちゃんそっちのけで三時間近くおしゃべりを聞いてしまいました。
ひどさの質や量より、むしろ重要なのは…
ただ、長年そうやってオンナ同士の毒のあるおしゃべりを続けてきてつくづく実感するのは、他愛もない愚痴とひどい男の被害報告は、第三者が線引きをできるほどはっきりと分かれているわけではない、ということです。私の常識からすれば信じがたい言葉を投げかけられていても、それほどひどい目にあった顔をしていない子もいれば、よくよく聞くとそんなに変なことをしていない男について、とんでもない罵詈雑言で悪口を続けられる子もいます。