
いまのところ今井は将来のメジャー挑戦については明言していない。昨オフの契約更改では「今は日本のプロ野球でまず一番を目指すことだけを考えてやっています」と語っている。だが、西武を取材するスポーツ紙記者は「意識が高い投手ですし、NPBで投手タイトルを獲得して一番の目標であるリーグ優勝を実現した時は、メジャーという上のステップを目指すでしょう」と心中を推し量る。
スポーツ紙デスクはこう指摘する。
「今井は2ケタ勝利をマークしたのがまだ2度、規定投球回数をクリアしたシーズンも2度であることを考えると、絶対的エースとしてあと数年間稼働してからのメジャー挑戦が自然に感じます。ただ、V奪回を飾った場合にどうなるか。達成感が生まれ、27歳という年齢を考えると『1年でも早くメジャーに挑戦したい』という感情が芽生えても不思議ではありません」
完全復活を目指す高橋光成
メジャー挑戦を公言している高橋は、これまで2けた勝利を4度マークしている。22年オフの契約更改のとき、ポスティングシステム利用での将来のメジャー挑戦を球団に要望。翌23年は10勝8敗の成績で、チームは5位に低迷したこともあり、メジャー挑戦は認められなかった。昨年はまさかの0勝11敗と勝ち星をあげられず、チームも最下位で、メジャー挑戦の話は封印された。今年は8試合登板で2勝3敗、防御率2.49。ここから完全復活した姿を見せられるか。
「西武はポスティングシステムの利用について、球団への貢献度を配慮して選手の希望を尊重する姿勢を示しています。ただ、平良、今井、高橋が同じタイミングでメジャーに移籍となると大幅な戦力ダウンになる。今オフの動きが気になりますね」(スポーツ紙デスク)
もちろん、今はシーズンにすべての神経を集中させているだろう。エースの今井が圧倒的な成績を残し、平良が絶対的守護神としてセーブを積み重ね、高橋も完全に復活、その結果V奪回を果たせば、球団はどう対応するのか。球団史上ワーストの91敗を喫した昨年とは違う悩みで、球団は苦しむことになるかもしれない。
(今川秀悟)
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