西武・今井達也(日刊スポーツ)
西武・今井達也(日刊スポーツ)

「平良はバウアーとイメージが近い」

 メジャー挑戦の意向をしている平良には、メジャーも注目している。メジャー東地区の球団関係者がこう語る。

「平良の魅力は総合力の高さです。直球は力強く、変化球もスライダー、カットボール、スプリット、ツーシームを投げ分ける。制球力が良いので死球で崩れる心配がない。イメージで近い投手はトレバー・バウアー(DeNA)ですね。平良はバウアーに比べると身長が173センチと10センチ以上低いですが、出力の強さと多彩な変化球を狙ったところに投げられるコマンド能力が高い点で共通しています。ポスティングシステムでの移籍が認められれば、間違いなく複数球団の争奪戦になるでしょう」

 スポーツ紙記者もこう話す。

「救援で活躍してきた平良は、2023年に先発に転向して11勝をマークしています。本人はメジャー挑戦のためにも先発で勝負したい気持ちが強かったのですが、昨オフに西口監督が説得して再び抑えに回りました。今年は本調子とは言えませんが、リーグトップの13セーブをマークしています。球団も平良の働きぶりは高く評価しているでしょう。今年の成績次第では、球団がポスティングシステムでの移籍を容認する可能性があります」

「今井はメジャーでもエース級の資質」

 さらにメジャー球団が熱視線を送るのは、エースの今井達也(27)だ。

 今井は今季10試合に登板して5勝1敗。防御率はリーグトップの0.83で、今のNPBで最も安定感がある投手だろう。フォームが固まったことで制球が安定し、力感のない独特のフォームから球威十分の直球、キレ味鋭いスライダーを軸に打者をねじ伏せる。76イニング投げてリーグ最多の78奪三振をマーク。チームメートの隅田、モイネロ(ソフトバンク)、宮城大弥(オリックス)、伊藤大海(日本ハム)などパ・リーグの先発は好投手が多いが、その中でも投手タイトルを総ナメにする可能性が十分にある。

 今井の登板試合には、メジャー球団のスカウトや編成担当が視察に訪れている。メジャーリーガーの代理人は「日本ハムで圧倒的な成績を残していたダルビッシュ(パドレス)に似ている。試合を支配している雰囲気がありますよね。メジャーでも山本由伸(ドジャース)、千賀滉大(メッツ)のようにエース級の投手になれる資質があります」と評価する。

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