巨人のドラフト1位からスカウトを経て現在はミキハウスのエースとして活躍している桜井俊貴
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 社会人野球最大の大会である都市対抗野球。今年は8月28日から行われるが、その出場権をかけた予選は既に全国で始まっている。そして社会人野球で近年目立つのがかつてNPBでプレーしていた選手たちだ。そんな新たな場で活躍を見せている元プロ野球選手についてピックアップして紹介したいと思う。

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 NPBでの実績はないものの、いまや社会人を代表する強打者となっているのが網谷圭将(ヤマハ・外野手)だ。2015年に千葉英和から育成ドラフト1位でDeNAに入団。当時のラミレス監督からその打撃を絶賛されるなど期待は高かったが、怪我もあって一度も支配下に昇格できないまま3年で退団となっている。しかしヤマハに入社後は中軸に定着。23年に4番打者としてチームの都市対抗準優勝に大きく貢献すると、昨年は公式戦で4割を超える打率をマーク。2年連続で社会人野球の年間ベストナインにも輝いた。

 今年もその打棒は衰えるところを知らず、5月9日から14日まで行われたJABA東北大会では準決勝で3安打、決勝で2安打の活躍でチームを優勝に導き、自身もMVPを受賞している。元々パワーには定評があったが、社会人で確実性も大きく向上しており、大舞台での強さも大きな魅力だ。今後も不動の中軸としてかかる期待は大きい。

 野手でもう1人社会人を代表する選手となっているのが武田健吾(三菱重工East・外野手)だ。NPBではオリックスで7年、中日で3年プレー。2021年も1年間フルに一軍に帯同し、主に外野の守備要員として93試合に出場していたが、その年限りで自由契約となり、三菱重工Eastに加入することとなった。

 社会人ではその高い守備力を生かして1年目からセンターのレギュラーに定着すると、ENEOSの補強選手として出場した都市対抗では3番打者として優勝に貢献。そして社会人3年目となる昨年は、所属している三菱重工Eastでも都市対抗初優勝にも導いている。NPB時代は守備のイメージが強かったが、社会人では打撃面が大きく成長。今年も4月に行われたJABA長野大会では5試合でマルチヒット3度を記録し、打率.381の活躍でチームの準優勝に貢献している。今年で31歳となるが、まだまだそのプレーぶりを見ると長く活躍できる可能性も高そうだ。

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