「制度上、東証ETFは組み入れ銘柄から得られた配当は分配金としてすべて吐き出す(当該ETFの購入者に支払う)のが原則となっています。

分配金利回りはS&P500に連動するETFで現状1%前後です。新NISAでは成長投資枠で買い付けられます。

特定口座などの課税口座で分配金を受け取ると20.315%の税金が差し引かれますが、新NISAは分配金も非課税です」

 とはいえ分配金の分だけ元本は目減りするため(分配落ち)、複利効果という意味では分配金抑制タイプの投資信託に比べて不利だ。

 ETFではなく、投資信託の中で分配金が再投資される際、20.315%の税金は引かれない。

 ただ、S&P500のように米国株から配当が出た場合、米国分の10%の税金は引かれたうえで再投資に回ることになっている。

「特定口座で買ったETFの場合、自動的に二重課税にならないように調整(米国分の課税は実質的に免除)されます。

新NISAではもともと分配金への課税がないため二重課税の調整はありません」

 資産を増やすときに効率性は重視したいが、「他のポイント」に目を向ける投資家もいる。

 投資で億超えの財を築き、2020年の秋に47歳で約25年間勤務した会社を早期退職した桶井道(おけいどん)さんは、自称「配当金大好きマン」だ。

 2024年の1年間で受け取った分配金と配当金の総額は税込み323万円、手取りは249万円だった。

含み益237万円超

 新NISAのつみたて投資枠では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に毎月10万円ずつ投資している。

 ETFでは「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」がお気に入り。

 2025年3月19日現在のiシェアーズETFの評価額は436万8960円、含み益は237万4560円だという。

「iシェアーズのS&P 500 ETFを選んだのは、投資した当時から信託報酬が他より安く、純資産総額も大きめだったからです。

他のETFもたいていそうですが、二重課税調整制度の対象銘柄で、特定口座を通じて購入すれば確定申告で外国税額控除を行う必要がないのもラクでした。

世界最大の運用会社であるブラックロックが運用しているという信用力、ブランド力、安心感もあります。

本当はつみたて投資枠でもETFを買いたいぐらい(笑)」

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