
投資家にとって重要なのは、過去に支払われた配当(実績)よりも、これからもらう配当(予想)のほう。
企業は毎年の決算期の最初(「期初」という)に「今年はこれぐらいの配当を支払いますよ」という配当予想を出すことが多い。
この予想値を株価で割った「予想配当利回り」を参考にしよう。もちろん過去の配当実績を見て、増えているかどうかをチェックすることも大切だ。
◆配当って銀行振込?
配当のもらい方は4パターンある。
定番は、証券会社の口座に配当を振り込んでもらう「株式数比例配分方式」(本ページ上の表の1)。
上場企業の株主情報は、証券会社が顧客から預かった株式を預託する証券保管振替機構(略称「ほふり」)が管理している。この「ほふり」を通じて証券口座に配当が振り込まれる。
新NISA口座で配当を非課税にするには、受け取り方を「株式数比例配分方式」にしておく必要がある。
他の受け取り方だと特定口座のように約20%の税金を源泉徴収されてしまう。
株式数比例配分方式以外では、すべての配当を1つの銀行や郵便局の口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」(表の2)、郵便局などで配当金領収証などと引き換えに現金を受け取る「配当金領収証方式」(表の3)、銘柄ごとに配当を受け取る口座を指定できる「個別銘柄指定方式」(表の4)もある。
◆配当って税金がかかるの?
通常の特定口座では、配当に対して所得税15%、住民税5%、2037年末までは復興特別所得税として0.315%(所得税15%の2.1%分)が上乗せされるので、合計20.315%の税金がかかる。
税金は配当が支払われる前に源泉徴収されて、残り約8割が振り込まれる形になる。
新NISAは「少額投資『非課税』制度」であり、配当にも株の値上がり益にも税金がかからない。
特定口座の場合、株の取引で損失が発生すると、その年にもらった配当やほかの金融商品の譲渡益(売却益)との「損益通算」により、配当から源泉徴収された税金の一部または全部を還付してもらえるケースがある。
特定口座「源泉徴収あり」で取引しているなら、証券会社が自動で損益通算をしてくれる。
特定口座「源泉徴収なし」や複数の証券会社で取引している場合、自分で確定申告すれば払いすぎた税金を取り戻せる。