高配当株投資をするなら見るべきは「予想配当利回り」
AERA Moneyではこうした「超基本」から解説
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 高配当株と普通の株の違いは何か。高配当株も他の株と同様に株式市場で取引されている点は変わらない。ただ「高配当株=たくさんの配当を払ってくれるおいしい株」と単純に喜んでいると足をすくわれることも。高配当株の基本と注意点を紹介しよう。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】

【図版4点】高配当株の基本がスッキリわかる図はこちら!

◆高配当株って何?

 高配当株とはたくさんの配当を払ってくれる株のこと。高配当かどうかを測る目安が配当利回りだ。

「1株当たり配当(年間)÷株価×100」で計算する。

 たとえば株価が1000円で1株当たり配当が20円なら配当利回りは2%、40円なら4%だ。

 2025年4月現在の全体平均から見て、配当利回り3%以上なら高配当株といえそう。

 企業が稼いだ利益の使い道には「株主に配当を支払う」以外に、「新規事業など今後の成長のために投資する」「利益剰余金の形で貯めておく」などの選択肢もある。

 本来は稼いだ利益を次の成長のために使い、どんどん会社を大きくすることが株価上昇の原動力になる。

 高配当株は「新事業に投資しても成長余地が小さいので、余った利益をたくさん株主に還元しちゃいますよ」という成熟企業に多い。そのため、通常は株価の急上昇に期待できない。

 ただ配当目的で買う人も多いため、業績や財務に問題がなければ株価は安定しやすい(下がりにくい、下がっても買いが入りやすい)点は魅力的だ。

◆配当って何がもらえるの?

 配当としてもらえるのは、お金だ。企業がその年に稼いだ利益や企業がこれまで貯めてきた内部留保から支払われる。

 株主優待制度がある企業の場合、株主になってくれたお礼に、買い物券やクオカード、地方特産品といったモノを株主にプレゼントしてくれる。

 配当はそういった優待品とは違い、現金をくれる。

◆配当利回り5%とは?

 配当利回りの算出方法を図にした(本記事冒頭)。

「1株当たり配当÷株価×100」で計算するので、株価1000円で年間の1株当たり配当が50円なら配当利回りは5%になる。

 分子の配当が増えるだけでなく、分母の株価が下がることでも利回りが上がってしまう点には注意。

本記事が丸ごと読める「AERA Money 2025夏号」はこちら!
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