初めてのリーグでの戸惑いも対戦を繰り返すごとになくなり、打席での“原点回帰”もハマって、5月は月間打率.377のハイアベレージをマーク。11日のオリックス戦(草薙)では、西武に在籍していた昨年9月3日のくふうハヤテとのファーム交流戦(ちゅ~る)での満塁弾以来となるホームランも打った。

「(セ・パ12球団にアピールする上で)数字は一番目に映りやすいですし、月間(MVP)とか、そうやって目に映るものは獲りたいなと思います。数字は追ったらキツくなっちゃうんですけど、それこそ安打数とかはちょっと気にしてますね」

 開幕から積み上げた安打数は「49」で、現在のところリーグトップ。「他(球団)のNPB組より僕はたぶん打席は多いと思うんで、しっかりと1年間やったら(タイトルを)獲れるぐらいの感じにしたいですね」というが、鈴木のようなNPB経験者はセ・パ12球団から声がかかれば、7月末の支配下登録期限まではシーズン途中での契約も可能。当然、その辺りも見据えている。

「どこかで2、3人怪我しちゃったりとかしたら全然(オファーの可能性は)あると思うんで、気負いはしすぎずにやっていきたいです。アピールはできてると思うんで、タイミングとか縁というのもありますけど、誰かが見てると思ってやるしかないです。いい意味で雰囲気良く楽しくというか、チームを引っ張ってる姿まで評価してもらえるようにしたいですね」

 昨年はくふうハヤテの投手・西濱勇星(元オリックス育成)がヤクルトと育成契約を結んだものの、イースタン・リーグのオイシックス新潟アルビレックスBCも含め、新たに誕生したファーム新球団から野手でNPBに復帰した選手はまだおらず、その「第1号」になりたいという。そこには西武時代に声援を送ってくれたファン、立場が変わった今も応援してくれる熱心なファンに「恩返し」をしたいとの思いもある。

「僕はけっこう(ファンに)適当に接するタイプなんですよ(笑)。友達みたいに接するんですけど、そういう面ではずっと長くファンでいてくれる人が多いので、もう一回NPBに戻ってまた違うチームでも追いかけれるのが、向こうも一番喜んでくれると思う。それが一番の恩返しだと思いますね」

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