深夜二時のコンビニでも恋愛は拾える
ほとんど最初に好きになったような人と長期間一緒に暮らすということを成し遂げた経験を卑下せずに、次の恋愛をより楽しむための糧にするには、四十歳になる五秒前の今のタイミングは最強な気がします。しょうもない男たちと人数だけ稼ぐ恋愛、みたいな経験値がものを言わなくなる年齢だし、誰かとじっくり向き合う力がためされる時期でもあるからです。年下男性の層も厚くなってきているし、年上のそれこそバツ1バツ2男性もまだ豊富にいる。顔も身体も意識しようによっては、二十代と比べてもそんなに悲惨な状態にはなっていない年頃でもあります。
それでも恋を始める、という行為がかなり久しぶりすぎて気後れする、という気持ちはわかる気がします。個人的におすすめなのは、友人の中で一番の恋愛脳、のような人を見つけることです。四十代になってもしょっちゅうひとめぼれしている先輩とか、結婚しても彼氏が絶えない人妻とか、恋愛が好きすぎて結婚したくない独身とか。四六時中恋しているようなその友人に、しばらくコバンザメのようについて回って、彼女がどんな場所でどんな男と出会い、どんなふうに近づいてそれを恋愛に昇華しているのかを間近で目撃するのです。
そうすると、恋愛って拾おうと思えば深夜二時のコンビニでも朝十時のキオスクでも午後三時の路上でも拾えるんだな、と思えるようになるはずです。異性との恋愛が目当てだったとしても、少なくともマッチングアプリで最初から異性と出会うよりは、同性の友人とつるみだすところから始めたほうが、恋愛は身近で簡単なものに思える気がするのです。
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