「政治家」は社会を前に進めるための手段

――改めて今回の騒動を振り返り、どう感じていますか。また、今回は結果的に「最終選考で落選」という形で自民党からの出馬は見送りになりましたが、今後について考えていることを教えてください。

 今回、自民党からお声がけをいただき、覚悟を決めた背景には、若者や女性の挑戦の後押しになればという思いもありました。いま、30代以下の女性国会議員は数人しかいません。あまりにも遠すぎる職業でロールモデルもいない。だから私が挑戦することで、「NPOから政治というアプローチが取れるんだ」「30代の女性でも挑戦できるんだ、それも自民党という選択肢があり得るんだ」などと感じてくれる人がいたらうれしいなと思っていたんです。ただ今回、私や自民党への批判以外に元所属団体や他のNPOなど周辺にもあらゆる誹謗(ひぼう)中傷が届き、Xでもかなり長い時間、いい意味ではない形でトレンドに上がっていました。私の思いとは反対に、あまりにも参入障壁が高い、政治に関わることは割に合わないと感じさせてしまったのではないかと危惧しています。

 私自身の今後については、次の参院選には出馬しませんが、社会を前に進める手段として政治がひとつの選択肢であるという考えは変わっていません。ただ、政治家だけがその手段でもない。政治を含めて、広い意味でよりよい社会づくりに関われる方法を模索していきます。

(聞き手・構成/AERA編集部・川口穣)

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