過去のSNS投稿は「極めて不適切な言葉遣い」
――なぜ自民党だったのですか。自民党のスタンスは渡部さんの考えと一致しているのでしょうか。
この10年近くNPOで活動するなかで、与野党問わず多くの議員さんと接する機会がありました。NPOなどの支援団体は、制度の不備に落ちてしまう人々に寄り添い、解決策を模索します。一方、政治家は民主主義のなかでさまざまな意見きながらどこかに妥協点を見つけ、決め、進めることが必要です。理想を主張するだけでなく、100点は取れなくても、5歩でも10歩でも前に進めるために、現場に足を運んで当事者と丁寧にディスカッションし、それを整理して議会で質問をしたり、政策に反映したりする。そんな動き方をしている議員さんの姿を見たのが自民党でした。政局ではなく「政策」に向き合う議員さんたちと、一緒に政策実現をしたいと思ったのがきっかけです。
立ち位置・スタンスについては、全ての政策が自分と一致する政党はないだろうと思いますが、政権を、ひいては社会を担う責任を感じながら落としどころを模索し、勉強会を開き、議連をつくり、政策を前に進めようとしている人たちが自民党には多く存在するという点に納得感がありました。
一方、お金の流れの不透明さは一国民として首をかしげる場面が多くありました。仮に議員になれば、少なくとも私が触れるお金に関しては透明化して発信していかなければならないと考えていました。
――渡部さんは2014年、Twitter(現:X)で〈「バカに権力を与えるとどうなるか」という見本が今の安倍政権〉と投稿しています。当時の発信をどう振り返りますか。
11年前、大学生のときの発信ですが、極めて不適切な言葉遣いでした。今なら政策を批判することはあっても、人を批判することはないだろうと思います。発言と人格を別のものだと理解し、異なる意見の相手とも議論を積み重ねていくことの大切さは社会に出て知りました。とはいえ、自分が当時、安保法制や武器輸出三原則の見直しに反対していたのは事実です。それは紛争が続いていたバングラデシュの先住民族地域に長期滞在した経験や、学生の仲間との勉強会を通し、考えていたことです。当時の言葉遣いは反省していますが、そうした政策に反対していたことを撤回するものではありません。