4月20日の広島戦で、阪神・藤川監督は坂本への死球に激高し、広島ベンチに向かおうとして制止される(日刊スポーツ)

新井監督は「これで終わり」と言ったが…

 注目の3連戦を終えた18日の試合後、新井監督は、「こちらとしては謝罪していたんだけど、(藤川監督に)ああいうふうに来られたら、チームを預かる者、年長者としても腹に据えかねるものがあった」と心境を吐露。「いつまでもとは思っていなかったし、私がとった行動に対して不快に思われたファンの方とか、心配してくれたファンの方には申し訳ないと思っている。もうこれで終わりです」と“終戦”を表明。だが、藤川監督は対照的だった。試合後の会見で、「ここでお話しすることではない。質問に上がること自体が、会見としてはふさわしくないんじゃないかと。ファンの方もたくさんいらっしゃいますから、そこはあんまりするべきじゃないのかなと思う」と言及を避けた。

 新井監督を現役時代から知るテレビ関係者は、こう語る。

「新井さんは阪神でプレーしていた期間がありましたし、阪神の選手、OBとも良好な関係を築いています。球界の垣根を超えて誰からも愛されていますが、現役時代も先輩の態度に納得がいかなければ、後輩を守るために声を発したことが何度もありました。今回の一件は死球を当てた立場として申し訳ない気持ちはありながら、藤川監督の態度に思うことがあったのでしょう。現役時代、2人の仲がいいとも聞いていないけど、特に悪くもない。今回は新井監督が死球を与えた立場ですし頭を下げて手打ちしましたけど、無理に仲良くする必要はないですよ」

 他球団の首脳陣は、「藤川監督の気持ちは分かります」と理解を示す。

「死球で故障のリスクがあるし、打撃が崩れる危険性がある。阪神は佐藤輝明、森下翔太、大山悠輔と強打者たちが内角を突かれることが多いですしね。よく、『すっぽ抜けた変化球なら仕方ない』と言われることがありますが、それは違いますよ。抜けた球でも頭に直撃すれば非常に危険です。坂本は優しい性格で、相手投手が新人の岡本だったこともあり、藤川監督の制止に入りましたが、現場を預かる藤川監督が怒りを露わにするのは決して不自然ではない」

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