
正捕手のFA移籍が暗黒時代の原因か
「横浜で長く正捕手を務めてきた谷繁元信さんが、01年オフに中日にFA移籍したことが大きな痛手でした。球界を代表する捕手であり、不可欠な存在でしたが、当時の森祇晶監督と良好な関係でなかったため、海外FA権を行使してメジャー移籍を目指しました。メジャーへの憧れだけでなく、愛着が強い横浜ではなく国内他球団でプレーすることに葛藤があったのだと思います。しかし、メジャーの球団と条件面で折り合わず、中日に移籍しました。谷繁さんが横浜一筋でプレーしていたら、球団の歴史は変わっていたと思います。あの時に絶対に引き留めるべきでした」
正捕手を失った横浜は長い低迷期に入ったが、DeNAが11年12月に球団を買収して生まれ変わる。中畑清監督、アレックス・ラミレス監督がチームの土台を築き、三浦大輔監督が21年から就任。昨年はレギュラーシーズンで3位だったが、CS、日本シリーズと短期決戦を勝ち抜いて26年ぶりの日本一に輝いた。
暗黒時代のエースとして活躍した三浦監督は現役時代の08年にFA権を行使したことがある。阪神が獲得に名乗りを上げたが、熟考の末に残留を決断した。三浦監督はプロ入り以来、一貫して過ごしてきた愛着ある球団を、リーグ制覇と2年連続日本一へ導けるだろうか。
(今川秀悟)
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