
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:いまお付き合いしている人が東京の人で、一緒に住みたい(結婚)と言われています。私は出身地の静岡での暮らしが快適すぎて、東京にまた住むのが悩ましいです。メリットは相手と一緒に暮らせることくらいで、今も東京で仕事があり週1は会えているので不便を感じていません。この先1年半ぐらいでどうするか答えを出そうと思っていますが、何かアドバイスがあればお願いします。(女性/フリーランス/39歳/しし座)
A:自分が今住んでいる場所が快適すぎると言える人ってなかなかいなくて、実は奇跡的なことのように思います。
一方で今お付き合いされている方との、その距離感が居心地がいいと思える人同士というのもまた奇跡。
結婚というテーマに関して見渡してみると、何も考えずに「この人がいる場所ならどこでもOK」と言える人もいて、美談になりがちですが、どちらが正しいとかそういう話ではなく「今私が住んでいる街が素晴らしい」というのもあなたの大事な宝物のはずです。
両方を天秤にかけて、どちらかの方向の比重を上げていかなければいけないタイミングが来るわけなんですが、その時におすすめの作戦があります。名付けて「ありがたいなー作戦」です。
未来のことを決めなきゃいけないと考えると、今自分が持っているものに幸せを感じられなくなってしまうことがあります。だから、「今付き合っている人が理解がある人でありがたいなー」「今住んでいる場所がこんなに快適でありがたいなー」って、とことん味わい尽くす。
そうすると、“もういいかな”というポイントが出てきたりします。これは僕の持論で、「旅好きなんだけど、いつまでも旅してていいのだろうか」という人にも、「多少徹夜してでも旅に行くとか、旅をしゃぶりつくしたほうがいい」と伝えています。そうやっていると、「もういいかな」というつぶやきとともに、決断のほうから近づいてきてくれるから、そこに任せちゃうのがいい気がします。
この相談を受けて、仕事でもプライベートでも、人生っていろんな段階を経て次に向かうんだな、と改めて気づきました。例えばフリーランスの人って、ご飯を食べていくために仕事を選ばず引き受ける時期もありますよね。でもその次の段階に進むときには、自分の健康や生活のことも考えて、仕事を選ぶようになる。その段階段階をちゃんとやり抜くことが大事で、しかもそれを少し過剰にやり続ける時間があると次のステップがわりとすぐやってきます。
しし座は選択のときに直感でパッと決める人が多いですが、選んだ方を徹底的にやり尽くすことで、次の選択ができるようになります。何が自分の快適かちゃんとわかっているあなたなら、きっといい方向を選べると思います。
※AERA 2025年5月19日号
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