女性が送った「反省を促すメッセージ」

“推し”の性加害。考えたくもないことだったが、この状態が続くうちは以前のように応援はできない。そう思った女性はファンクラブサイトから中居さんに反省を促すメッセージを送った。異を唱えるメッセージを発信することは、「とても勇気がいることだった」が、長年応援してきたファンだからこそ言わなければいけないことだとも考えた。

取材に応じた女性が大切にしてきたSMAPのグッズ(提供)

 40年近く芸能活動を続けてきた中居さんには、女性を含め多くのファンがいる。SNSにも加害行為を批判し、苦言を呈する人の投稿が目立った。

 だが、すべてのファンがそう受け止めたわけではなかった。

「手を上げる等の暴力は一切ございません」という一文を、「暴力の類は一切なかったのだから、大したことではない」と捉える人が続出。「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」という一文にも、賛否が分かれたという。女性は、

「声明以降、ファンも対立しています。私は中居の行動は許せませんが、2016年まで存在し、私たちに元気を与えてくれたSMAPまで批判しているわけではありません。でも、中居を信じたい友人からは、『SMAPの本当のファンではない』と言われてしまいました。推しの加害行動一つで、それまで仲良くしていたはずのファン同士にも大きな亀裂が入ることを知ってほしいです」

 と訴える。この女性は、中居さんの声明をきっかけに、ファンが3つに分断されたと感じている。

「一番多いように見えるのは、引退が悲しくてSNSに浮上しなくなった人たちです。批判的な声や対立するファンを見ること、活躍するほかのメンバーの状況を知ることすらしんどい状況にあるのではないかと思います。2つ目は、私のように裏切られたと思っている人。性加害という愚行は、たとえ推しであっても許せません。徹底的に批判するというスタンスの人たちです」

 週刊誌報道、中居さんの声明、フジテレビによる会見、第三者委員会による調査報告書……。一連の問題を取り巻く状況に変化が起きるたび、ファンの間に温度差が生まれていった。

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