
プロ野球も開幕から1カ月が経過したが、アマチュア野球も高校野球は春季大会、大学野球は春季リーグ戦、社会人野球はJABA大会と各カテゴリーで熱戦が繰り広げられている。やはり気になるのはドラフト候補となる選手だが、現時点で1位指名の可能性が高い3人の選手について、どの球団が狙うべきなのか。プレーの特長とチーム事情などから探ってみたいと思う。
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まず今年の目玉となるのが立石正広(創価大・二塁手兼三塁手)だ。昨年は3年生ながら大学日本代表にも選出され、国際大会でも活躍。秋の明治神宮大会では4試合で15打数10安打、2本塁打、打率.667という圧倒的な成績を残し、チームの準優勝にも貢献した。最大の魅力はその長打力で、昨年12月に行われた大学日本代表候補合宿でのフリーバッティングでは、広い坊っちゃんスタジアムの場外にも運んでいる。この春のリーグ戦でも厳しいマークの中で既に4本のホームランを放っており、目玉としての地位を確立した印象だ。
複数球団の1位競合も予想されるが、チーム事情的に最も必要性が高そうなのが楽天ではないだろうか。昨年二桁ホームランを放ったのは浅村栄斗だけで、その次に多い9本塁打はベテランの阿部寿樹となっている。2021年のドラフトで指名した吉野創士、安田悠馬、前田銀治という強打者タイプ3人が伸び悩んでおり、若手にも大砲候補は少ない。
同じパ・リーグでは西武ももちろん長打力は不足しているが、ルーキーの渡部聖弥が見事な活躍を見せており、他にも村田怜音、林冠臣といったスラッガー候補を指名しているのを見ると、楽天の方がより必要性が高いように見える。立石はサードに加えて今年はセカンドでも安定した守備を見せており、そういう意味でも“ポスト浅村”として最適な人材であることは間違いない。ルーキーながらショートで活躍している宗山塁と三遊間、もしくは二遊間を組むことができれば、チームの将来も一気に明るくなるだろう。