神社の参道からの光景(武内さん提供)
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 みなさまごきげんよう。私、先日4月17日にとうとう還暦の誕生日を迎えました〜。が、わーあ、めでたい……と力がなかなか入らない私。そんな、いまだ還暦の心をどこに落ち着けたらよいのかよくわからないふわふわした気持ちのまま、岐阜県飛騨市神岡町へでかけてきました。

【写真】武内陶子さんが見入った、平安絵巻の祭りはこちら

 神岡にいる古くからの友人が「陶子さん、久しぶりにお祭りに来ませんか」と誘ってくださり、子供たちに「おうちのことはよろしくね〜」とママ業お休み宣言をして、1泊2日の旅に出たのでありました。

 岐阜県飛騨市の神岡町は、ちょっと行きにくいところにあります。新幹線で富山まで行って、そこからレンタカー。もしくは、富山か名古屋からは特急ひだ号に乗って高山へ。そこから車で1時間ちょっと。神通川支流の高原川沿いに広がる、山の中の静かで古い町並みの残る町。

 ところが一方では、2002年に小柴昌俊さんがノーベル物理賞を受賞なさる発見をもたらした研究施設「カミオカンデ」があるところ。今は「スーパーカミオカンデ」になり、2015年には梶田隆章さんもニュートリノ研究でノーベル物理学賞を受けられています。

 神岡鉱山内の深い山の中の地下1000メートルのところに、5万トンの水を貯めることができる巨大水槽の施設が。古きよき日本とともに「未来」がそこにあるというか。そんな不思議な町です。

 その山の中の小さな町で、毎年春に素晴らしい祭りが継承されています。実は10年ほど前に子供たちを連れてちょうどその祭りの日に向けて旅をしたことがあり、あまりにも素敵でそれ以来ずっと心から離れずいつかまた行きたいと思い続けていました。
 

タイムマシーンに乗った?

 さて、神岡です。

 友人のKさんが富山まで迎えに来てくれて、まずは夕方からKさんのお宅で祭りのご馳走をいただきました。春の山菜や「こもとうふ」とよばれる郷土料理の豆腐、富山が近いので美味しい刺し身も並びます。

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