彼は天狗に憧れを抱き、空中飛行や透明になる能力を会得しようとしていたようなのです。他にも数々の奇行について、逸話・伝説が残っています。
織田信長よりも先に比叡山を焼き討ちしたのも政元です。彼の起こした型破りな行動は、次代の改革者たちの先例にもなったのです。
こんな政元ですから、父ほどの知名度はないものの、ネットなどでも奇天烈な権力者として、密かに注目される存在になっているのです。
私は、政元を主人公とする大河ドラマがつくられたりすると非常に面白いのではないかと思っています。政元の破天荒な行動は、当時の常識を次々と打ち破り、実に痛快です。
本書『オカルト武将・細川政元』(朝日新書)では、そんな政元の激動の生涯を紹介しつつ、ポスト応仁の乱から戦国の幕が開かれるまでの時代の特質について解説していきたいと思います。

オカルト武将・細川政元 室町を戦国に変えた「ポスト応仁の乱の覇者」 (朝日新書)