
「愛子さまの朱赤は若々しさを、皇后さまの撫子色は優しさを連想させ、目にした人びとの好感を誘うでしょう」
雅子さまと愛子さまの共通項は、着物の他にもある。「お話好き」な点だ。
園遊会や公務の場などで、おふたりと懇談をした人びとは、おおよそ同じ感想を口にする。
たとえガチガチに緊張していても、(雅子さまや愛子さまが)ふんわりとほほ笑まれると、なぜか力みがとれるのだという。
お話好きの雅子さまは、楽しそうな表情で相手にどんどん質問されることが多い。懇談のお相手は、雅子さまのパワーに引き込まれて夢中になって話してしまうようだ。
一方の愛子さまは、ゆったりと物腰や柔らか。愛子さまと相手の間には、のんびりした空気が漂うことが多いが、気づくと話し込んでしまうという。

この日の園遊会でも、丁寧な「おもてなし」をする愛子さまに、おそばにいる職員らが、「そろそろ…」と、何度もお声がけをしていた。
愛子さまは、そのたびに、うん、うん、とうなずくが、なかなか足は動かない。
「ご両親(両陛下)にお伝えしてくださいね」と招待客が迫力のあるトークを展開する場面もたまに見かけるが、愛子さまはニコニコしながら素直に耳を傾けている。
着物も雰囲気もどことなく共通した柔らかな雰囲気のあるおふたり。この日の園遊会は、どこか天皇ご一家のお人柄がにじむような、あたたかな「おもてなし」になったようだ。
(AERA 編集部・永井貴子)