
天皇、皇后両陛下主催の春の園遊会が、4月22日に元赤坂の赤坂御苑で開催された。皇后雅子さまは、淡い黄の淡黄蘗(うすきはだ)に優美な藤の訪問着。両陛下の長女の愛子さまは、可憐な空色に貝桶の吉祥文様が描かれた本振袖で臨んだ。実は、天皇家の菊紋のお着物をお召しのおふたりには、共通の美意識がある、と専門家は話す。
【写真】美しい!まさに「王朝の姫」愛子さまの振袖姿に、思わずため息…
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やさしい日差しに、可憐な明るい青色を指す「勿忘草(わすれなぐさ)」の生地が、愛子さまの笑顔を一層明るく見せていた――。
春の園遊会は、62年ぶりに形式を変更。両陛下、秋篠宮ご夫妻を中心とする皇族方、そして愛子さまと佳子さまらプリンセスを中心とする3手に「道筋」を分けて、できるだけたくさんの招待者と交流できるよう配慮した。
愛子さまらが向かう「松山テント」と呼ばれるエリアには、大勢の人が集まり華やいだ空気に包まれた。
愛子さまは、目線があうとにっこりほほ笑み、招待者の話に、うん、うん、とうなずく。全力で「おもてなし」をする愛子さまの所作に、招待者は「お可愛らしい」と、目を細める。

この日の愛子さまがお召しだったのは、未婚女性の第一礼装となる三つ紋の本振袖。袖には、天皇ご一家である内廷皇族が用いる「十六葉八重表菊」の菊紋を見ることができる。
青空を映したような美しい着物には、王朝遊びのひとつである「貝合わせ」に使う蛤と入れ物である貝桶といった吉祥文様が大振りに描かれている。
思い出されるのは2003年秋の園遊会。雅子さまはまだショートヘアだった時期で、やはり「貝桶」が描かれた、淡い地色の訪問着をお召しだった。幼い愛子さまと遊ぶ、母としての雅子さまを想わせるような優しい柄行が印象深いお品だ。
