
「メガネっ子アイドル」と自分で言ったことはない
カジュアルにアクセサリーとしてかけていたメガネだったが、「こんなに注目されるとは思っていなかった」と時東さんは振り返る。
「デビューした頃はもっとメガネをかけたアイドル、タレントが当たり前になってくるかと思っていたんですけど、全然出てこないですよね。そこが予想とは違いました(笑)。『メガネっ子アイドル』というのも自分では言ったことがないんです。つんく♂さんにも『他人から言われることがブランドだ』と言われていたので、いつの間にかそう呼ばれていた感じでした」
メガネがトレードマークで有名になった時東さんだが、メガネを使い分けるのは「大変な時もありました」と吐露する。現状持っているメガネは30種類ほど。服のコーディネートに合わせて考える必要があることに加え、グラビアのときはポージングで邪魔になることも多い。ポートレートでもフレームと目がかぶってしまい、撮り直しになることも少なくないのだという。
「だから、あんまりおすすめはしないです(笑)」
芸名の「時東ぁみ」も特徴的なネーミングだが、これはつんく♂さんの発案ではないそうだ。
「当時17歳で、あ行とや行を全部小さくして、いわゆるギャル文字でメールを打っていたんです。その頃は大人のルールも全然知らなかったので、つんく♂さんに対しても全部それで連絡していて……。今考えるとヤバいじゃんって思いますけど。でもつんく♂さんは『あが小さいほうがかわいいし、目につきやすいね』と面白がってくださって、CDデビューをするときに『時東あみ』から『時東ぁみ』に変わったんです」

つんく♂さんはレコーディングスタジオでも、ブースにまで入ってきて歌い方を直接指導してくれた。
「すごい人なんですけど、とっても気さくに接してくださるんですよね。普通にしゃべっていても『その角度面白いね』とか、いろんなものを拾ってくださる人だと思います」
デビュー後、東京在住だった時東さんは、電車に乗れば中吊りには自分の顔、乗客が持っている雑誌にも自分がドンと載っている、という状況を経験した。
「この環境は何なんだ、と戸惑いました。でもプライベートでは普通に生活をしていて、自分が『芸能人なんだ』という意識を持つまでには少し時間がかかりました」