しかし、いざテレ東でアナウンサーとして配属されると、10年以上にわたりバラエティー番組での活躍ばかりが目立つように。この頃の大江について、24年1月放送の同局系「伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評」に出演した元テレ東社員の佐久間宣行氏は、「なんで大江が(『モヤさま』のレギュラーに)選ばれたのかわからない」「大江って『モヤさま』が始まる前、バラエティーが嫌で泣いてた」と回想していた。芸能評論家の三杉武氏が振り返る。

「長年テレ東のエースアナとして活躍を続けた大江さん。開局50周年を記念してカレンダーを発売した際、他の女性アナウンサーたちが『テレビ東京女性アナウンサーカレンダー 2014』の1冊に収まる中、大江さんだけが『大江麻理子アナウンサーカレンダー 2014』として単独で発売されたことでも、その人気がうかがえるかと思います。

 もともと報道志望の彼女ですが、テレ東に関しては『WBS』『ウイニング競馬』『モヤモヤさまぁ~ず2』『出没!アド街ック天国』など女性アナウンサーが活躍する人気番組が限られています。『WBS』以外の多くはバラエティー番組で、局アナ時代の鷲見玲奈さんや森香澄さんが出演していた『ウイニング競馬』もバラエティーノリを求められる部分があります。若手女性アナの有望株はこうした人気番組を担当するケースが多く、バラエティーノリに順応する中で自然と“アイドルアナ”的な見られ方をするようになるのではないでしょうか」

飾らず運動音痴ぶりもさらけ出す

 バラエティーや一部経済・金融番組をこなす中、長らく会社へニューヨーク支局への異動の希望を伝えていたという大江。13年にようやく海外赴任が叶い、翌年に報道局キャスターとして帰国すると「WBS」のメインキャスターに就任した。

 加えて、同就任から約半年後、資産85億円といわれたマネックス証券創業社長・松本大氏と交際半年でスピード婚。大江より15歳年上で、かつ離婚した前妻との間に1男1女がいることもあって、ファンから心配の声も上がった。前出の編集者が語る。

「一般的に女性アナが資産家と結婚すると、世間では皮肉が飛び交うケースも多いですが、大江さんに対しては祝福の声や『連れ子がいるみたいだけど大江ちゃん大丈夫?』と心配するファンが目立った印象です。世間から余計な嫉妬を買わずに済んだのも、『モヤさま』で歌のヘタさや運動音痴ぶりをさらけ出すなど、これまでの彼女が飾らず“等身大”で仕事に打ち込んできたからではないでしょうか」

 退社理由を「身体にガタがきている」などとXにつづり、退社後は「ゆっくりしたい」という大江。一部で“政界進出説”などのうわさも飛び交っている彼女の今後の動向が注目される。

(小林保子)

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