
トランプ大統領の“関税ショック”が相場に影を落としている。1月には4万円台にあった日経平均株価は、4月7日の「ブラックマンデー」に3万1000円台まで急落。そこでいったん底打ちしたが、今なお3万5000円台を回復できずにいる。
【図3つ】全世界株式、S&P500、TOPIX「30年の暴落ワースト3」は何%?
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そんな急落のショックから立ち直れずにいるのは、大きな損失を被った個人投資家たちだ。
「ニュースを見ても、悲観的な見方をするアナリストは多くなかったので、『同盟国の日本に対して高い関税をかけることはないだろう』と楽観的に考えていました。それで3月の調整局面に、日経平均先物を3万6000円台で買って握りしめていたのですが……暴落の恐怖に駆られて、すべて損切りしました」
投資で人生を変えようと
そう話すのは40代の女性。トランプ関税発表後の暴落で160万円の損失を被って以降、投資から距離を置くようにしていると話す。
「7日の暴落時に『最悪、2万5000円まで下げる可能性がある』というアナリストの予想を読んで、損切りしないと死ぬと思い、底値に近い3万1000円台で投げ売ってしまった。さらに、そのあと損失を取り返そうと、熱くなって日経先物の短期売買を繰り返して、傷口を広げてしまったんです。昨年も先物取引で150万円以上損しているので、私には投資の才能がないんだと改めて気づかされました。残りの資金は100万円しかないけど、今後は自分の意思が介在しない自動売買ソフトを利用して運用することを考えています」
この女性は月3万円ずつ新NISAでS&P500に連動する投資信託を積み立てているが、それも含み損になったという。
「一流企業の男を捕まえて人生一発逆転なんて望めません。だから、投資で人生を変えようと思ったのに……トランプに台無しにされました」