(2)夜のお酒にこだわらない別プラン

 ノンアルでも楽しめるとはいえ、お酒を飲んでいる人がいることには変わりない。そういう人を見ることもイヤな若者がいる場合は、「全員ノンアル」にしたほうがいい。

 そうなると夜は避けたほうがいいだろう。

 「新人歓迎会=夜の宴会」という固定観念を振り払い、ランチ会やボードゲーム大会、昼間のバーベキューなど、明るい時間帯の交流イベントを検討するのだ。とくにランチなら会社負担で参加無料にしやすく、新人の参加ハードルも低くなる。

 またオンライン勤務が多い職場では、週1回だけオフィスに集まって"飲み物自由"のカジュアル座談会もいい。こうした柔軟なスタイルは、コロナ禍でリモートワークに慣れた世代からも「ありがたい」と歓迎されることが多いようだ。

 「ノンアル飲み会」を開いてみたら、普段の飲み会以上に深い話ができた、という体験談もある。

(3)任意参加というプラン

 新人歓迎会や花見を企画する側は「新入社員は全員出席で」と思うかもしれない。しかし業務外の集まりを強制することはリスクでもある。企業イメージを毀損しかねない。なので参加は原則自由とする。欠席者を責めない雰囲気づくりも重要だ。

 最近は各企業が「飲み会は任意」「評価には一切関係しない」と明示し、スケジュールも相談して無理のない日程を組むなどの配慮をしている。実際、「飲みニケーション」という言葉自体が時代遅れとなりつつある今、形にこだわらず参加できる方法を模索するのがベターだろう。

飲み会事情は大きく変化している

 桜とともに始まる社会人生活。新入社員を歓迎したい気持ちは、どの会社も変わらない。

 ただ、その手段や空気感は急激に変化している。「お酒の場」にこだわるのではなく、ノンアルコールでも集える気軽さや昼間の交流イベントなど、時代に合わせて柔軟に考えよう。いろいろな取り組みを試みている企業があるので、ネットやSNSを通じて調べるのもいい。

 大切なのは、ビジネスにおける大原則――「相手の立場に立って考える」である。時代が変わり、考え方、価値観は多様化している。どのようにして相手と親密になるのか、絆を深められるのかは、相手によって違うのは当たり前だ。

 ソバーキュリアスの考え方が示すように、"お酒"を大前提にする考え方はもう古い。お酒の有無は関係なく、気持ちよく話ができる場こそ、本当の意味での「歓迎」だと私は思う。

(横山 信弘 : アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長)

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