
「Ice Brave」は、プロスケーターとなった宇野昌磨が表現を追求するアイスショーだ。
【写真】「ワンピース・オン・アイス」での宇野昌磨のダイナミックな演技
3月19日、宇野は初めてプロデュースするアイスショー「Ice Brave」開催を発表する会見を行った。それから半月あまり経った4月上旬、ショーの練習をしているリンクに宇野を訪ね、「Ice Brave」にかける思いを語ってもらった。
――「Ice Brave」というタイトルについて、会見で「僕の強みは、気持ち的に前に強くいくところ」「武器は、エネルギッシュに力強く全力で向き合うところ」と言っていました。今回タイトルを考える中で、自己分析したのでしょうか
タイトルについては、僕自身で考えたというより、このショーに携わってくれる方々と一緒に考えました。いろいろな案をいただいた中で、最後はこのタイトルが「一番自分に近いな」という感じがしました。これからこのショーをやっていく上で何度も口に出す言葉なので、自分自身や皆さんが気に入ることが大切ですよね。自分の代表的なショーになるので、中途半端なタイトルは嫌でした。しっかり考えた結果、言葉の意味や雰囲気がいいんじゃないかということで、この「Ice Brave」というタイトルにさせていただきました。
――選手時代から、力強さが自分の武器という思いはありましたか
僕は競技としてのスケートと毎日向き合うことだけを、二十年以上やってきました。そこに深い意志があるというよりも、本当に毎日の積み重ね、繰り返しだったと思います。「今日の練習時間は、これを成し遂げたい」ということを毎日積み重ねるだけだったので、あまり「自分の力強さが強み」とは考えたことはなかったです。ただこうやって現役を退いた今、自分の選手時代を総括すると、すごく力強くフィギュアスケートに向き合えていたんじゃないかなと思います。それは他人と比べるものではないですけれども、俯瞰して自分を見た時に、人よりも強い思いで競技に向き合っていたんじゃないかなと。
そして、僕の強みはジャンプの技術や美しさではなく、どんな時も「前に進むんだ」という意志ではないかなと。たとえそれがきれいではなく多少不格好でも、強い気持ちが自分の強みなんじゃないかな。振り返ってみて、今ではそう思います。