2024年4月12日、アメリカ・フロリダ州であった慈善団体「サンタバリー」によるポロマッチで、ヘンリー王子はチャンダウカ理事長(左から2人目)とともに写真に収まった(photo ロイター/アフロ)
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「文句は言わせない」というけんか腰の姿勢 

 ヘンリー王子(40)は先日、レソト王国のセーイソ王子(58)と共に設立した慈善団体「サンタバリー」のパトロン職を辞任した。団体の理事長ソフィー・チャンダウカ博士(47)は、王子から人種差別やいじめなどを受け、さらに人事権を乱用していると抗議と糾弾を続けている。この一報を聞いた人々からは「ハリーは強力な相手と対峙して、手に負えない状況に陥った」という声があがっている。

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 両者が対立しているポイントは複数あるが、そのうちのひとつは今回、ヘンリー王子とともに辞任した理事のマーク・ダイヤー氏(58)をめぐる騒動だ。王子の「第二の父」と呼ばれ、12歳で母を失った王子を精神的に支えた人物とされるが、チャンダウカ理事長は、自分や理事会に諮ることなくヘンリー王子がダイヤ―氏を理事に指名したので驚いたと主張している。

 さらに、チャンダウカ理事長は「組織の中には“沈黙の文化”がはびこり、理事たちは王子に反対することをためらう」と明かす。ヘンリー王子はいつも理事会では身構え、「文句は言わせない」というけんか腰の姿勢を保っていたという。

何かとトラブル続きのヘンリー王子。2025年4月9日には、ロンドン中心部の王立司法裁判所に姿を見せた。高等裁判所が、イギリス滞在中の警備レベルを格下げする判決をしていたが、控訴した(photo REX/アフロ)

理事長とメーガンさんがトラブルに

 混乱が深まっていく中、この一件について、イギリスの慈善団体を審査する組織、慈善事業委員会が仲介し、調査を始めることになった。イングランドとウェールズの慈善団体の登録と規制を行う独立した非省庁の政府機関で、イギリス全体で16万以上ある慈善団体が機能し発展することを目指す組織だ。

 委員会がどのような結論に達するか、注目されるが、チャンダウカ理事長との関係悪化がささやかれ始めたのは昨年のことだ。

 フロリダ州マイアミでのポロマッチの際に、優勝カップを贈呈する壇上で、メーガンさん(43)が理事長に対して、わきに移動するよう指示を出したのだ。ヘンリー王子と親しい理事の一人は、「理事長は、忙しいメーガンが来てくれたことを喜ぶべきだった。王子とメーガンが顔をみせると、観衆の反応は倍増する。メーガンは妻なのだから急に出てくることは予想するべきだ」と理事長を非難したものの、多くの人がメーガンさんへの非難の声を上げる事態となった。メーガンさんは、この件で「傷ついた」とされるが、特に声明は今のところ出していない。

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