2018年7月10日、ロンドンのバッキンガム宮殿上空を通過する英国空軍機の飛行を見守る(左から)チャールズ国王、カミラ妃、アンドリュー王子、エリザベス女王(故人)、メーガンさん、ヘンリー王子、ウィリアム皇太子、キャサリン妃。この時は笑顔があふれたロイヤルファミリーだったが……(photo AP/アフロ)

「王室内でもっとも愛されるロイヤル」と自負

 そんなメ―ガンさんをめぐって、興味深い“考察”がある。3月に王室作家トム・クィン氏が『イエス、マーム 王室使用人の秘密の生活』を出版したが、その中で「本当はキャサリン妃(43)の方がメーガン(43)よりも強い」と述べて注目を浴びているのだ。

 キャサリン妃とメーガンさんは、これまでたびたび「王子の妻」として比較されてきた。二人は育った環境は異なるものの、年齢も近く貴族出身ではないという共通点もある。しかし、一般的にメーガンさんにはヘンリー王子と王室離脱を決行するなどタフなイメージが付きまとう。しかし、クイン氏は書籍の中でキャサリン妃の方が実は多くの点で強いと指摘している。

 メーガンさんは、英王室に入ると厳しく批判されることがあったが、キャサリン妃も似たような経験をしている。批判された時、メーガンさんは1000年以上続く英王室の伝統や慣習に従わず、「私の方がよく知っている。なんなら私が教えてあげます」と自信たっぷりの態度だった。それが新たな批判を招くことにもなっていた。

 さらに、メーガンさんは王族を交えた会議において、そこから学ぶというより、会議そのものを主導しようとして不快感を持たれた。それでいて「王室内で最も愛されるロイヤル」を自負していたため、人々からの反発は強かった。

2025年3月17日、ロンドンで行われた聖パトリック祝賀会で参加者と交流するキャサリン妃(photo AP/アフロ)

結果的に勝利を収めたキャサリン妃

 一方、キャサリン妃は外部から王室に入るものに対する批判は、「当然、考えられる」と捉える“強さ”があったのだという。

 キャサリン妃は、下級スタッフや侍従などとも仲が良く、彼らのアドバイスを喜んで受け入れた。素直に感謝さえした。結婚当初、王室内にはまれにキャサリン妃に対して、上から目線で接する人もいたが、それもキャサリン妃はいちいち騒ぎ立てず上手に乗り越えていった。結果的に自分の役割で輝きを放ち、勝利を収めたのだという。

 2人の妃の夫であるウィリアム皇太子(42)とヘンリー王子のそれぞれの妻に対する姿勢が異なっていて、それも影響したのかもしれないが、キャサリン妃の賢さと強さが今改めて見直されている。

(ジャーナリスト 多賀幹子)

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