5月からは舞台「星の降る時」、10月からはこちらも舞台の「また本日も休診~山医者のうた~」を控えており、まさに大忙しの江口。エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、彼女の魅力についてこのように分析する。

朝ドラからプライム帯ドラマ、深夜ドラマと、主演作&出演作が同一クールに3本も放送されるというのは近年ではとても珍しい現象。しかも放送時間帯がまんべんなく分布しているのは、彼女がどんな作品にも対応できる懐の広い演技力と表現力の持ち主であることを物語っています。端役から主役まで、これまでに出演したテレビドラマはざっと数えて100本超。もはや日本のドラマを支える名プレイヤーの一人と言っても過言ではありません。個人的には『時効警察』(テレ朝系)シリーズの無表情な警察官・サネイエ、ショートコメディ『野田ともうします。』(NHK)の女子大生役が印象に残っています。どうしても役のイメージから寡黙で無愛想なキャラクターに見えてしまいますが、さまざまなエピソードを見ると、人を惹きつける人間的魅力にあふれていることがうかがえます。それでいて不必要に媚びないストイックな生き様や価値観が垣間見えるところも、人気の理由の一つではないでしょうか」

 出演中の3本のドラマはまだまだ序盤戦。今後、さらにそれぞれの役をどう演じ分けていくかにも注目したいところだ。(高梨歩)

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