連続テレビ小説「あんぱん」ほか、今期3本のドラマに出演する俳優の江口のりこ
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 今期ドラマで異様な活躍をしているのは女優の江口のりこ(44)だ。「あんぱん」(NHK)に加え、「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」(TBS系)、「ソロ活女子のススメ5」(テレ東系)と3本のドラマに出演しているのだ。「あんぱん」では、家庭的で趣深いヒロインの母親役、「対岸の家事~」では仕事とワンオペ育児で疲労困憊するワーママ役、そして「ソロ活~」では、日々ソロ活にまい進する独身の雑誌編集部の契約社員の女性役。まったく違うタイプの役柄を丁寧に演じ分ける彼女の姿に驚きを禁じ得ない。

【写真】シックな衣装をまとう江口のりこさん

 SNSでも「あんぱんにソロ活に、今期江口のりこさん何人いるんだ」「どの役もハマりすぎて最高」「演技力が凄まじい」などなど、彼女の八面六臂の活躍や演技力を絶賛する声が多く見られる。

「江口さんの知名度が一躍全国区になったのは、2020年放送のドラマ『半沢直樹』(TBS系)への出演と言えるでしょう。白いスーツがトレードマークの白井亜希子国交相役を好演し、半沢の敵対キャラから最終回では味方になるどんでん返しで視聴者をくぎ付けにしました。その翌年の2021年には早くも引っ張りだこに。『その女、ジルバ』(フジ系)、『俺の家の話』(TBS系)などで存在感を発揮し、『ソロ活女子のススメ』(テレ東系)で民放ドラマ初主演を果たすと、『SUPER RICH』(フジ系)でも主演を務めました。その後の活躍は言わずもがなで、特に作品を盛り立て引き締める名バイプレーヤ―としてなくてはならない存在になりました」(テレビ情報誌の編集者)

 江口が遅咲きの苦労人だというのは有名な話だろう。中学3年生の頃に芝居の世界に興味を持ち、卒業後は高校へ進学はせずアルバイト生活を送り、18歳で兵庫県から上京した。

「当時、『劇団に入ったら映画に出られるかも』と、映画でよく見ていたから、という理由で柄本明さんが主宰する『東京乾電池』のオーディションを受け、合格。わずか2万円だけを握りしめ上京したと語っていますよね。その後、新聞配達店に住み込みでバイトをしながら、劇団の研究生として芝居を勉強する日々だったといいます。部屋は風呂なしで狭くてボロく、部屋の隅っこにはキノコが生えるほどだったそうです。お金はなくて貧乏生活だったそうですが、それでもすごく楽しかったと本人は語っていました。本当にお芝居が好きな方なんだなと感じるエピソードです」(同)

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