フランスのパビリオンも作業中

「本当の完成は開幕後になります」

 その近くのファストフード店では、出店準備の真っ最中。内装業者が忙しく出入りするそばで、ユニフォームに身を包んだ女性たちが、
「いらっしゃいませ」
「ウェルカム」
 などと接客の練習を繰り返していた。店の担当者はこうぼやいた。

「工程表は何度も修正されて、ようやく4月9日に店が引き渡される予定です。しかし、それからだと厳しいので、並行してスタッフのトレーニングも始めました。工事は一部の部材が間に合わないということで、本当の完成は開幕後になります」

 見せてくれた工程表には、手書きでいくつも修正が入っていて、当初の予定よりかなり遅れているのがよくわかる。

スカイウォークの周囲の草花に水をまくスタッフ。奥のほうの花は枯れていた

直射日光が厳しいスカイウォーク

 高さ12メートルのリングの上にのぼってみると、大阪湾から吹き付ける強い風で、肌寒く感じた。リングの上は「スカイウォーク」という歩道になっていて、展望を楽しみながら1周約2キロの散歩が楽しめるということだが、日差しをさえぎるものがなく、この日も直射日光で暑く感じた。

 複数のスタッフが草花に水をまいていた。スカイウォークの周りは緑化されていて、さまざまな草花が鑑賞できる。いままさに花を咲かせている草花もあれば、開幕を前に茶色く枯れてしおれた植物もあった。散水しているスタッフに話を聞いた。

「風が強く、晴れると直射日光がきつい環境ですから、常に花が咲いている状況を続けるのはなかなか厳しい。花を頻繁に植え替えて、来場される皆様のために頑張りたい。散水は12人のスタッフで1日中行うことになっています。夏になると、本当にきついと思います」

次のページ 10日前でパビリオンの完成は半数ほど