外装も内装も作業中だったポルトガルのパビリオン。高所作業車が出動していた
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 工事の遅れが指摘されてきた大阪・関西万博だが、開幕直前の万博会場で記者が目にしたのは、多くの工事現場だった。

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 地下鉄夢洲(ゆめしま)駅の改札口を出ると、パビリオンのプラカードを掲げた男性が、
「〇〇パビリオンのスタッフの方、こちらにおこしください!」
 と大声を張り上げていた。

 記者は「シグネチャーパビリオン」の完成披露と、3日間で9万人を招待して行われたテストランと呼ばれる内覧会に参加するため、会場を訪れた。だが、会場に入る前から、パビリオンのスタッフ研修を担当する男性の焦った様子を目にすることになった。

「当初、パビリオンは3月中旬には完成して、そこでトレーニングするという話でした。でも、あらたかた完成したのが数日前。まだ一部は工事中です。準備期間に2週間ほどほしいと思っていたが、まったく足りません」

 集まったスタッフを引き連れて万博会場に向かう間も、担当者は目配りが忙しい。

「不慣れで、広すぎて、はぐれて迷子になるスタッフもいて大変なんです」

 確かに、夢洲駅横の東ゲートから万博会場内に入ると、想像していたより広い。万博のシンボルである木造の「大屋根リング」までも、歩くとけっこうな距離だ。

大屋根リングの下でも作業が続いていた

リングのスケールの大きさは圧巻

 何かと〝悪評〟があるリングだが、実際に目の前にすると、スケールの大きさは圧巻だ。リングの下部にある組み合わされた木材の美しさはなかなかのもの。上にのぼれば展望もよく、楽しみ方もいろいろあるようで、〝映えスポット〟になりそうだ。

 リングの足元ではまだ絵筆を持ってイラストを仕上げている人がいた。下絵を元に、リングにイラストを描いている。

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