ロッテ期待の右腕・ボスだったが…(写真提供・日刊スポーツ)
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 開幕から約10試合を消化したプロ野球のペナントレース。以前のコラムでは順調なスタートを切った新外国人選手について紹介したが、その一方で期待された活躍を見せることができていない選手が存在していることも事実だ。そんな苦しい開幕となった新外国人選手について、今後の活躍に必要なポイントも探りながら取り上げてみたいと思う(成績は4月8日終了時点)。

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 投手でまず名前が挙がるのがボス(ロッテ)だ。2018年にメジャーデビューし、昨年はマリナーズでリリーフとして68試合に登板。2022年には17試合に先発して5勝をマークした実績もあり、佐々木朗希(ドジャース)の抜けた穴を埋める存在として期待の高い右腕だ。しかしオープン戦では3試合に登板して防御率4点台ともうひとつの結果に終わると、開幕ローテーション入りこそ果たしたものの、ここまで2試合に先発して防御率7.00で未勝利と結果を残すことができていない。ストレートは140キロ台中盤から後半と外国人投手としてはそれほどスピードがある方ではなく、ここまでの投球を見ても力で圧倒するのは難しいように感じられる。初登板となった3月29日のソフトバンク戦では柳田悠岐にスライダーを完璧にとらえられており、速い変化球もそこまで威力を発揮していない印象だ。落差の大きいカーブは面白いが、大半がボール球となっている状況だ。球数が多いのも課題であり、先発として結果を残すためにはもう少し使える球種を増やすか配球を見直すなどの対策をする必要がありそうだ。

 リリーフ投手で苦しいスタートとなったのがウォルターズ(中日)だ。メジャーではわずか1試合の登板しかないものの、マイナーリーグでは経験豊富で、160キロに迫るスピードボールが持ち味のリリーフ投手である。チームはライデル・マルティネス(巨人)が抜けたこともあって、ブルペン陣の一角として期待されていたが、オープン戦では6試合、4回1/3を投げて3失点、防御率6.23と結果を残すことができず、開幕一軍入りを逃した。二軍ではここまで6試合に登板して3セーブをマークしているものの、6イニングで被安打6、2四球という数字となっており、1回を三者凡退で抑えたのは3月25日のくふうハヤテ戦だけである。ストレートは前評判通り150キロ台中盤をマークすることも珍しくないが、体が一塁側に流れるフォームで打者からするとボールが見やすく、甘く入ると簡単にとらえられてしまうことも多い。制球も全体的にアバウトな印象だ。ボールの力自体はあるだけに、一軍昇格のためにはもう少しフォームを見直すなどして、安定感を増したいところだ。

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