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~1年間の新卒社員の離職状況と傾向を分析~

- 株式会社アルバトロス

退職代行モームリを管理している株式会社アルバトロス(本社:東京都港区、代表取締役:谷本慎二)が、2025年3月1日(土)に2024年度新卒者の退職代行の利用状況の調査を行いました。
本プレスリリースでは、その調査結果を公開いたします。

株式会社アルバトロス https://www.alba-tross.jp/
退職代行モームリ https://momuri.com/
MOMURI+(モームリプラス) https://momuriplus.com/

2024年度の新卒社員による退職代行利用者は1,814名にのぼり、多くの依頼がありました。
今回、利用データを開示することにより、2025年度の新卒社員の離職率低下に貢献できると考え、公開いたします。

■調査概要
以下、調査の概要です。
性別:男女(回答無し含む)
地域:全国
人数:新卒社員1,814名(2024年3月内定辞退依頼の2名を含む)
調査方法:退職代行モームリのご利用者様を対象にアンケートを実施
調査期間:2024年4月1日~2025年2月28日

■調査内容
公開する調査内容は以下となります。
新卒社員を対象とした
1.月別の利用者数推移
2.男女比
3.利用の多い職種
4.退職理由
5.実際の退職理由

上記の項目について、MOMURI+(モームリプラス)が分析・考察した結果を公開します。
MOMURI+は、年間2万件以上蓄積されている退職データを活用し、退職情報の開示や企業向けコンサルティングを提供するサービスです。労働者向けの退職情報の提供と、企業向けの離職率低下支援の2つを軸としています。
2024年度新卒の退職代行の利用状況(2024年4月1日~2025年2月28日)1.月別の利用者数推移退職代行モームリを利用した新卒社員の人数を月ごとに集計した結果です。
2024年度新卒社員月単位利用者推移
4月:新卒利用者数 256名 / 全体人数 1,663名(15.4%)
5月:新卒利用者数 298名 / 全体人数 2,107名(14.1%)
6月:新卒利用者数 251名 / 全体人数 2,113名(11.9%)
7月:新卒利用者数 211名 / 全体人数 2,084名(10.1%)
8月:新卒利用者数 175名 / 全体人数 1,862名(9.4%)
9月:新卒利用者数 112名 / 全体人数 1,625名(6.9%)
10月:新卒利用者数 113名 / 全体人数 1,678名(6.7%)
11月:新卒利用者数 65名 / 全体人数 1,544名(4.2%)
12月:新卒利用者数 97名 / 全体人数 1,705名(5.7%)
1月:新卒利用者数 118名 / 全体人数 2,603名(4.5%)
2月:新卒利用者数 118名 / 全体人数 2,119名(5.6%)
【合計:新卒利用者数 1,814名 / 全体人数 21,104名(8.6%)】

新卒社員の退職代行利用者数は、GWが含まれる5月が最多の298名でした。次いで入社前後の4月で254名、6月で251名でした。

入社から4か月以内の新卒利用者が突出して多く、GW・お盆・年末年始などの長期休暇後にも、利用者が増加する傾向が見られます。
2.男女比退職代行モームリを利用した新卒社員の男女比です。
2024年度新卒社員男女別利用者数
女性の利用者がやや多い結果となりました。全体の利用者数では男性が若干多いものの、性別による大きな差は見られませんでした。
3.利用の多い職種退職代行モームリを利用した新卒社員の職種別の利用者数です。
2024年度新卒社員職種別利用者数
サービス業が最も多く、318名(17.5%)となっています。次いで、営業が222名(12.2%)、医療関連が144名(7.9%)という結果になりました。

サービス業や医療関連は従事している従業員が多いことも関係していますが、業界的に人材不足や、長時間勤務に陥りやすい環境も影響していると考えられます。

また、全体の退職代行利用者の多い職種は、1位サービス業・2位製造業・3位医療関連のため、新卒社員の就業先は製造業よりも、営業職のほうが人気があるとも言えます。
4.利用の経緯・退職理由退職代行モームリを利用した新卒社員の利用の経緯・退職理由です。
2024年度新卒社員退職理由
4~6月で退職代行を利用した新卒社員の約半数は「入社前の契約内容・労働条件と勤務実態の乖離」が理由となっています。

入社から3か月経過した7月以降は「いじめやパワハラなどの人間関係」が主な理由となり、4~6月の時期に比べると約1割以上も増加しています。

一方、キャリアや給与面の不満を挙げる割合は低く、平均で5%未満という結果となりました。
5.実際の退職理由以下は、実際にあった退職理由の一部です。退職月・職種別に記載しています。
<入社式直後 / 女性 / 美容関連>
会社説明会で聞いたことと全然ちがい、細かい説明もなく、身だしなみなど自分の好きなことを制限され、凄く嫌悪感を抱く言い方で、入社式にも出させてもらなかった。

<4月 / 男性 / 建築・建設業>
入社前に「土曜は基本的には休み。ただ祝日で平日が休みの場合は土曜出勤になる」と聞いていたが、実際入社したら、土曜日も通常出勤で休みは日曜だけだった。「充実した研修制度あり」と公式サイトにも写真付きで紹介がされていたが、研修なしで入社式翌日から現場に行かされた。

入社後3ヶ月間は、事前に聞いていた業務内容と異なる、休日の扱いや研修制度が説明と違うといったケースが非常に多く挙げられます。

このように、事前の情報と実際の職場環境のギャップは退職を引き起こす大きな要因となっています。

さらに、入社して間もないため相談できる人がおらず、一人で悩みを抱えやすい状況に陥りがちであることも原因の1つとして考えられます。
<7月 / 男性 / サービス業>
ミスして説教された後、「あいつの仕事ゴミカスレベルに出来ないな笑笑」と言われとても傷ついた。仕事が分からず聞こうとしたら自分で考えろと言われ、今度は自分なりに考えていたら仕事が分からないなら聞けと言われた。

<8月 / 男性 / 営業>
上司が部下に対しての暴言や必要以上の叱責などこれを毎日見ていると自分も悲しい気持ち、嫌な気持ちになり、精神的にも苦痛なところがあります。この環境で長くいると身体も心もボロボロになってしまうと判断し、早期での退職を決断しました。

<1月 / 女性 / サービス業>
社訓をひたすら叫んだり、何回もテストをされ指摘される合宿をしました。当時は当たり前だと言い聞かせてましたが、今になって振り返ると辛くなった。
新しい配属先に来て日が浅い状況ので、相談出来る相手もいなく言い出しにくかったです。

入社から3か月経過した7月以降は職場の人間関係や職場の雰囲気が原因となっているケースが増加しています。
業務に慣れてくると余裕が生まれ、人間関係や職場の雰囲気を大切にしたいという気持ちが強くなることが予測されます。

また、上司からの接し方が厳しくなることも影響し、それに伴う精神的な負担の増加が退職に繋がっていると考えられます。

■まとめ
2024年度新卒者集計の分析結果は以下となります。
・就業先は製造業よりも営業職の人気がある
・新卒社員は5月が一番退職代行利用が多く、入社直後と大型連休後の利用者も多い
・3か月以内の新卒退職者の約半数が『入社前の契約内容と勤務実態の乖離』が原因
・入社から3か月経過した7月以降は人間関係を退職理由に挙げる割合が高い

4月から6月にかけての利用が最も多く、退職理由としては『入社前のイメージと実際の勤務状況や職場環境とのギャップ』が約半数を占める結果となりました。企業側の入社前の説明不足だけでなく、労働者側の情報収集不足も原因として挙げられます。

入社直後と大型連休前後の利用者は増える傾向が出ているため、その時期は特にフォロー体制を構築することが重要だと考えられます。

入社から3か月経過した7月以降になると、『いじめやパワハラなどの人間関係』に起因する退職が増加しました。この結果から、業務に慣れてきた時期においては、業務内容よりも人間関係やメンタル面での支援が重要であると言えます。

このデータを活用し、企業の労務環境が改善され、2025年度の新卒社員だけではなく、早期離職者の減少に繋がることを期待しています。

このプレスリリースでは、新卒者の退職データの一部を公開していますが、退職情報開示サービス『MOMURI+(モームリプラス)』では、今回公開したデータよりもさらに詳細な情報を提供しています。

サービス内容の詳細と実績は、MOMURI+公式HPにてご確認いただけます。
公式HP:https://momuriplus.com/
公式LINE:https://lin.ee/t4Q6ZfK

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