
急激に、永田町がきな臭くなってきた。
【写真】急激な「石破おろし」とともに、また名前が急浮上しているのはこの人
3月13日深夜午後11時過ぎ、石破茂首相が急きょ、首相官邸で記者会見し、
「公職選挙法にも抵触をするものでなく、法的には問題がない」
と繰り返した。
3月3日に首相公邸で、昨秋の衆院選で初当選した自民党議員15人を集めた会食があったが、その前に石破首相の秘書が15人の事務所を訪問し、1人あたり10万円の商品券を届けていた。政治資金規正法第21条2項には「公職の候補者の政治活動に関する寄附の禁止」が規定され、これに触れる可能性がある。
石破首相は深夜の会見で、
「会食のお土産として届けた。私費、ポケットマネーで用意したもの。家族へのねぎらいなどの観点で渡したもので、政治活動でもなく、政治資金規正法上も問題がない」
と説明した。
だが、会合に参加した初当選のA議員に話を聞くと、
「石破首相に林芳正官房長官、2人の官房副長官など、官邸のトップがいる場での会食でした。石破首相は政治や選挙のことを話されていたので、政治的と言われるとそうですよね」
と言う。
そもそも石破首相が昨年9月の総裁選で勝利できたのは、カネにクリーンなイメージがあったことが大きい。この時期、自民党派閥の政治資金パーティー収入をめぐる裏金事件で「政治とカネ」問題への批判が吹き荒れていた。そんななか、石破氏は総裁選前の講演で、
「自民党総裁は公職ではないので、カネをばらまくということがある。私は(カネを)まいたことがない」
などと自民党の「政治とカネ」の問題を批判していた。それが、首相になると自ら「カネをばらまく」スキャンダルを起こしたわけだ。
「初当選議員との会食とおみやげは恒例だった」
自民党では、初当選議員と首相が会食し、「おみやげ」を渡すことは恒例だったという。自民党の閣僚経験者B氏によれば、
「歴代首相はたいてい、当選1回の議員の会食はやっている。恒例行事です。官房長官、官房副長官の日程も調整しなければならないので、1、2カ月前には日程を決める。私なんか20年以上前のことですが、新人議員が集まって官邸で食事をご馳走になりました。当時の総理からは、『若いキミたちも頑張って』とか、『総裁選では応援してくれ』とか政治的で、総理親衛隊になってくれって感じでした。あのころ、有名紳士服店の高級スーツ1着20万円が相場ということで、帰り際にお土産と一緒に現金20万円が入った紙袋を受け取りました。カネはスーツじゃなく、銀座のクラブの飲み代で一晩でなくなった」
と言う。そして、こう話す。
「まさに政治活動なのに、そこを総理は否定した。これから追い詰められ、言い訳もできない苦しい展開になります」