上原さんもバンドのメンバーも大のラーメン好きだという(撮影/写真映像部・和仁貢介)

“ラーメン愛”を込めた曲も

――「Yes! Ramen!!」は、上原さんのラーメン愛を表現した楽曲だとか。

 バンドのメンバーもラーメンが大好きで、「ラーメンのマイレージカードがあったらすごいね」って笑ってるくらい、日本に滞在しているときはほぼ毎日食べてるんですよ。私もずっとラーメンが好きだし、「いよいよ愛するラーメンの曲を書くときがきたな」と(笑)。私が思うラーメンの素晴らしさ、職人たちが作るラーメンとそれを食べるお客さんのことを思いながら、すごく利己的に作った曲ですね。

――アルバムのタイトル曲「OUT THERE」は、4曲からなる組曲です。

 もともと組曲がすごく好きで、これまでもよく書いているんです。今は「とにかく曲は短く」という傾向があって、まったく時代には即していないですけど、聴き手としても長尺の曲に没入するのが好きなんですよね。こちらから「35分間、集中して聴くのもいいですよ」と勧めるのではなく、リスナーの方に「気が付いたらこんなに時間が経っていたんだ」と感じてもらえるのが理想。映画「フォレスト・ガンプ」で、フォレストが走ってると、なぜかたくさんの人がついてきて、みんなで走るシーンがありますけど、ああいう一体感をライブでも作りたいんですよね。実際「OUT THERE」をライブで演奏すると「一緒にゴールするような達成感があった」と言ってもらえることがあります。

――「OUT THERE」というタイトルについては?

 すごく好きな言葉なんです。「一歩踏み出したら、何か見えてくるかもよ」というカジュアルな感じがいいし、私が生きているうえで大事にしている“Curious(好奇心)”を象徴しているなって。「おさるのジョージ」の原題は「Curious George」なんですけど、ジョージは「よし、踏み出してみよう」と決意しているわけじゃないですよね(笑)。「何か面白そう」というだけで行動して、いろんな出来事を起こすわけですけど、そうやって興味や好奇心で動くってすごくいいなと。私、子どもの頃、「“おさるのジョージ”に似てる」って言われてたんですよ(笑)。

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