上原ひろみ/1979年、静岡県浜松市生まれ。6歳よりピアノを始め、同時にヤマハ音楽教室で作曲を学ぶ。1999年にボストンのバークリー音楽大学に入学。在学中にジャズの名門テラークと契約し、2003年にアルバム『Another Mind』で世界デビュー。以来、国内外で幅広く活躍している(撮影/写真映像部・和仁貢介)
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 2003年のデビュー以来、20年以上にわたって世界的な活躍を続けているピアニスト、上原ひろみ。音楽監督を務めたアニメ映画『BLUE GIANT』が第47 回日本アカデミー賞「最優秀音楽賞」を受賞するなど、活動の幅を広げ続けている彼女の新作は、Hiromi’s Sonicwonder名義の2作目『OUT THERE』だ。

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 Hiromi's Sonicwonder は、アドリアン・フェロー(b)、ジーン・コイ(ds)、アダム・オ ファリル(tp)という気鋭のミュージシャンと組んだバンドで、2023年から始動。前作「Sonicwonderland」に続く本作には、デビューアルバムア『ナザー・マインド』収録曲「XYZ」のSonicwonderバージョン、ラーメンへの愛をテーマにした「Yes! Ramen!!」、シンガーソングライターのミシェル・ウィリアムスをフィーチャーした「ペンデュラム feat.ミシェル・ウィルス」などバラエティに富んだ楽曲が収められている。

「私自身が楽しいと思うもの、いいと思うものに対して、同じ気持ちを持ってくれる人を探す旅を続けています」という上原ひろみに、アルバムの制作エピソードを軸に、奔放に活動を続けるパワーの源について聞いた。

「役者のために脚本を書く」スタイルでつくった今作

――Hiromi’s Sonicwonder名義の2作目「OUT THERE」がリリースされました。本作のテーマは?

 前作の「Sonicwonderland」は、まず「こういうバンドをやってみたい」「こういう音楽を作りたい」というものが私の中にあって、それを可能にしてくれるミュージシャンを探して制作しました。今回の『OUT THERE」はSonicwonderというバンドありきで作ったので、順番が違います。最初に脚本があって役者を探したのが前作だとすると、役者のために脚本を書いたのが今作なのかなと。一緒にライブをやっていくなかで、メンバーの強みがわかってくるし、「こんなことができたら面白いな」とか「こうすれば彼らの演奏が光るはず」というアイデアが出てきて。それをもとに曲を書いていきました。

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