挽回の可能性は限りなく低い?

 まもなく最終回だが、主人公の米田結が栄養士として勤務する病院で新型コロナの患者を受け入れるという困難に立ち向かっている。フィナーレに向けて、「おむすび」は巻き返しできるのか。

 中村さんは「その可能性は限りなく低いのでは」と悲観的な観測をする。

「残念ながらすでにクランクアップしていますし、これだけ視聴者が離れてしまった以上、もはや巻き返すには時間的余裕がなく、不可能に近いと思います。ただ、主演の橋本さんをはじめ俳優さんたちは一生懸命に演じているので、最後まで一つ一つのシーンを丁寧に積み重ねることが意外な盛り上がりを生み、次につながるかもしれません」

 また、朝ドラの最終回が近づくと話題になる「伏線回収」にも期待はしていない、と付け加える。

「私はそもそも近年のSNSやウェブ記事における、テレビドラマへの安易で過剰な『伏線および伏線回収期待論』には賛同しかねます。なぜなら何でも『伏線』ありきになってしまうと、ドラマの楽しみ方が歪んでしまう気がするからです。しかしながら、せめて最終回くらいはタイトルの『おむすび』を実感できるような、素敵な余韻のあるラストになっていたらいいな、と思います」

 4月から始まる今田美桜主演の「あんぱん」を早く見たいとの声も上がってしまう「おむすび」は、果たしてどんな結び方で終わるのか。

(AERA dot.編集部・太田裕子)
 

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