東京大学本郷キャンパスの赤門
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今年も東大と京大の合格者が発表された。過去の合格者高校ランキングの記事を再配信し、入試分析や出身校の合格者数を振り返る。(この記事は2019年3月13日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの。記事の配信時点で掲載が間に合わなかった高校のデータがあります。非公表・非回答の高校もあります)。

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 東大と京大の合格発表が3月10日にあり、努力を結実させた計約5700人が歓喜の春を迎えた。入試分析や出身校の合格者数を紹介する。

 3月10日、東大の安田講堂に続くイチョウ並木の道に合格者番号が貼り出された。岩手県の高校を卒業し、都内で浪人生活を送っていた男性(19)は「文IIIに合格した。地元を離れて、1人で勉強するのがつらかった。番号を見て、うれしいというよりホッとした」と安堵の表情を見せた。

 今年の東大一般入試の合格者は3018人。東大は地方の女子学生獲得に取り組むが、今年の合格者は510人で、昨年より41人減った。福田裕穂副学長はこう語る。

「応募者が少ないことが最大の問題。女子を東京に送ることに不安があるようだ。また、理系の女子が医学部を目指すことが多くなっている」

 今年の合否の分かれ目はどこにあったのか。駿台予備学校によると、今年の入試は英語が易化。理科系では、数学や物理、化学が難化した。駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長は次のように分析する。

「難化した数学、物理、化学でどこまで点数が取れたかで合否が分かれた。合格者最低点が理Iで15点、理IIで19点も昨年よりアップし、厳しい戦いだったとみられます」

 文科系では法学系の文Iの志願者が前年比6・3%増加。これまで人気を集めてきた経済系の文IIは前年並みだった。科目では世界史が易化。国語、数学、地理、日本史などは平年並みの難易度だった。

「学力差が出るのは数学。数学の出来で合否が分かれた。文Iは厳しい競争になった。一方で、文IIの最低点が文Iを上回っており、経済系の人気が引き続き高いことがうかがえます」(石原さん)

 合格者高校を調査すると、東大は、開成(東京)が188人で38年連続の1位を確実にしている。平成の間、とうとう一度もトップを譲ることはなかった。

 上位にランクインした高校のうち、大きく伸ばした学校も目立つ。聖光学院(神奈川)は昨年から21人増の93人で3位。渋谷教育学園幕張(千葉)は24人増の72人で、5位に入った。久留米大附設(福岡)が27人増の50人で9位に入っている。福岡県の高校がトップ10に入るのは初だ。

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