日本ハム・堀瑞輝

トレードに積極的な日本ハム

 捕手で他球団から人気が高いのが、日本ハムの清水優心だ。新庄監督が就任した22年から出場機会が激減し、昨年は12試合のみの出場で打率.143に終わった。日本ハムの捕手陣は、ベテランの伏見寅威、昨年急成長した田宮裕涼に加え、郡司裕也もシーズン終盤に捕手で起用されている。

 セ・リーグ球団のファームコーチは「清水は正捕手としては評価が分かれますが、第2捕手なら欲しい球団は多いでしょう。配球に工夫が見られるし、打撃も悪くない。若手の時から試合に出続けていましたし、経験もある。28歳とまだまだ若いし、ファームでくすぶっている選手ではない」と評価する。ロッテは同一リーグなのでポジションを考えると移籍は難しいかもしれないが、日本ハムは戦力補強という観点だけでなく、個々の選手が輝ける道を模索して積極的にトレードを敢行してきた。可能性はあるかもしれない。

 日本ハムでもう一人、気になるのが左腕リリーバーの堀瑞輝だ。21年に60試合登板で3勝2敗39ホールドをあげ、最優秀中継ぎ投手を受賞したが、近年はファーム暮らしが長い。23年は5試合、昨年は10試合のみの登板で、2年連続0ホールドと結果を残せなかった。

「堀の場合はメンタル面だと思います。2軍では躍動感あるフォームで投げているのに、1軍では結果を残そうという思いが強すぎるのか腕が振れていない。復活してほしい投手ですが、心機一転で環境を変えたほうが輝きを取り戻せるかもしれない」(北海道のテレビ関係者)

 最後にもう一人。パ・リーグ球団のスコアラーが「能力は高いのにその力を半分も発揮できていない」と指摘するのが、プロ4年目のロッテの内野手、池田来翔だ。23年は5月に月間打率.373、2本塁打の好成績を残すなど40試合に出場したが、昨年は21試合出場で打率.111、0本塁打。身長180センチ、95キロというがっちりした体格で俊足と身体能力の高さに定評があるが、内野陣は23年ドラフト1位の2年目・上田希由翔、即戦力と期待される昨年ドラフト2位の宮崎竜成が加入してきて、立場が厳しくなっている。

「23年の春先に頭角を現した時はスケールの大きい打者が出てきたと思いましたが、その後は打撃に迷いがあるのか思い切りの良さが消えている。ファームでは凄い打球を飛ばしていたのでもったいない。高校時代から魅力的な選手でしたし、個人的には欲しいですね。25歳と若いですし、トレードなどできっかけをつかめば大化けする可能性があります」(前出のスコアラー)

 開幕まで1カ月。驚きのトレードはあるだろうか。

(今川秀悟)

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