西武・與座海人
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 各球団が春季キャンプを打ち上げた。この時期、故障者や調整がうまくいかない選手が出た球団では、戦力の再整備が必要になってくる。開幕が迫る中で、トレードを行うことは決して珍しくない。巨人田口麗斗ヤクルトの廣岡大志(現オリックス)の交換トレードが両球団から発表されたのは、2021年3月1日だった。

【写真】最優秀中継ぎのタイトルを持ちながらくすぶっているのはこの投手

 今年2月18日、ヤクルトの奥川恭伸がロッテとの練習試合前の準備で下半身のコンディション不良を発症して急遽登板を回避した。2日後の20日にキャッチボールを再開し、全体練習に復帰したが、先発ローテーションを期待されていただけに、一時は緊張感が走った。

「奥川は故障が多い。先発陣の層が薄いヤクルトのチーム事情を考えると、開幕前にトレード補強を敢行する可能性が考えられます」(スポーツ紙デスク)

他球団なら先発陣に入れる下手投げ投手

 ヤクルトに限らず、即戦力の先発が欲しい球団は多い。伸び悩んでいるが、環境を変えれば活躍できそうな選手の獲得が現実的な選択肢だろう。セ・リーグの編成担当が、注目している投手の名を挙げてくれた。

西武の右腕、與座海人ですね。三振を取れるアンダースローの投手は珍しいので価値が高いです。22年に10勝を挙げましたが、23年2勝、昨年は7試合登板で1勝のみに終わりました。昨年は最下位に低迷した西武ですが、先発陣はコマがそろっている。與座はファームでいい投球を続けていましたし、他球団だったら先発でまだまだ勝てる」

 西武は昨年、リーグワーストの350得点と深刻な得点力不足が低迷の要因になった。オリックスからセデーニョを獲得したが、打線全体を見るとまだ他球団に見劣りする。打線強化に向けて打者を獲得するためのトレードも策の一つになるだろう。

 ロッテは正捕手の佐藤都志也が、2月13日のフリー打撃で右足の親指に自打球を直撃させ、病院で右足親指の「末節骨骨折」と診断されたと発表した。開幕までの復帰を目指すが、慎重にならざるを得ない。ベテランの田村龍弘、若手の松川虎生、寺地隆成らが控えるが、春先から苦しい戦いが続くようだと、トレードで捕手を緊急補強する可能性が出てくる。

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他球団スカウトが「ほしい」という大型内野手