意外と知らない神宮球場の光景

『神宮球場100年物語』文中より

──現在、新球場は2032年に完成する予定です。まだ時間はありますが、それまでに現神宮球場の「ここを見ておけ!」というのがあったら教えていただけますか。 

長谷川:新球場がどのようなものになるのか、現時点ではまだ決まっていないので、「ありとあらゆるところを見てほしい」と思います。個人的には球場外周、朱色のアーケードが大好きですね。あと、意外と知られていないかもしれませんが、神宮の「宮」の字に注目いただくとおもしろい発見があるかもしれません。 

 失われることが決まっている以上、神宮球場すべてのものを目に焼き付けておきたいというのが私の思いです。書籍の巻末に現在の神宮球場の四季の写真を掲載していますが、雲、雷、青天、桜など、どこを切り取っても慣れ親しんだ「神宮球場」なんです。座席のアップでさえも神宮です。本の前半に掲載した歴史的な貴重な写真の数々と巻末のなにげない現在の神宮を切り取った神宮、その対比がすごく気に入っています。 

──長谷川さんが推す、神宮のオススメスポットがあれば教えてください。 

長谷川:どこの入り口でも構わないですが、球場コンコースからスロープを上がり、目の前にまばゆいばかりのグラウンドが現れる瞬間が大好きです。「これから野球が始まるんだ」「自分はスタジアムにいるんだ」という内なる興奮でワクワクします。
 

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